2008年5月のニュースレター:[以前のニュースレター]
 
 
5月12日(月)
 
 
■弱弱しい福田総理、一刻も早い解散か、退陣を
 ゴールデンウイークが終わった5月9日、参議院財政金融委員会で道路特定財源を10年間にわたって存続させる内容を含んだ政府提出の法案が、賛成少数で否決された。その直前に、財政金融委員会と国土交通委員会の連合審査会で、福田総理大臣出席のもと総括質疑が繰り広げられ、総理自身が、来年度以降道路特定財源を廃止し一般財源化する方針を提起されてきたことと、10年にわたって続けるというこの法案の矛盾を、民主党をはじめとする野党側が、鋭く指摘したのは当然のことであった。
連合審査会を主宰する委員長席から、そのやりとりをつぶさに見る機会があったが、総理大臣の答弁の中で、野党の側からの修正の提起を待ち焦がれていた、といった趣旨の発言が出されていた。ちょうど、4月はじめに開催された党首討論での、「かわいそうなぐらい振り回されているんですよ」、という言葉と同様、総理大臣としてどのように政治生命をかけて事態を打開してきたのか疑わしいほどの弱弱しい言葉しか出てきていないのだ。
 その発言から伺われるのは、根底において野党である民主党との話し合い路線にすがり付こうとする姿勢が、なんら変わっていないということであった。話し合いを否定しているのではない。参議院で与野党が逆転したことを踏まえ、どのようにして自分の目指す国づくりを実現していくのか、そのためには、国会運営のあり方をどのように改革していくべきなのかなど、その執念がどこにも出てこないどころか、逆に民主党が何もしないから実現しない、と駄々をこねているように思えてならない。そこには、日本国総理大臣としての責任の重さを感ずることができないのだ。もはや、総理大臣をなさっていること自体が、大変な問題なのだ、といわざるを得ない。国民は、そのことを鋭く見抜いており、支持率も20%を切るところまで落ち込んでいる。一刻も早く、解散・総選挙をされるのか、それとも内閣総辞職されるのか、強く求めたい。

■新しい日米中の関係構築を
 さて、先週号で指摘した中国の胡国家主席との日中首脳会談において、懸案であった餃子やガス田、チベット問題などは、友好第一の流れの中で十分な論議がなされたといえず、結局あいまいなものでしかなかった。せっかくの機会にもかかわらず、北東アジアの将来について率直に語り合い、新しい日中関係を作っていく姿勢に乏しい、と感じたのは小生だけであっただろうか。問題は今後の日中関係のあり方であり、アメリカの覇権国家としての衰退が進みつつある今、日中米の新しい関係構築に向けて、一層の努力を進めていく必要があろう。

■問責決議より後期高齢者医療制度の問題点の解明へ
 さて、今週参議院本会議での道路特定財源法案の否決を受けて、13日には衆議院で3分の2の賛成でもって再可決される見込みである。その際、参議院で福田総理大臣に対する問責決議を求める声もあったのだが、結局見送られることになった。それよりも、評判の悪い後期高齢者医療保険制度の廃止法案を提出し、問題点を明確にするとともに新しい制度を作る方針に転換しようということになりつつある。総理大臣の問責が通っても、法的な拘束力が無く、早期に求めている解散総選挙は不利な条件の下で自民党が実施するとは到底考えられないわけで、持久戦に持ち込まれつつある。

■政界再編が簡単に進むとは思えないのだが
 このまま洞爺湖サミットを経て以降、福田総理の退陣・後継総理大臣による人気があるうちに解散・総選挙に打って出るという姿が想定される。来年度の予算や税制改革を考えるとき、9月末までに解散総選挙を終えておくとすれば、サミット以降の早い時期に臨時国会、内閣総辞職、自民党総裁選挙、新総理を選出する臨時国会という流れになろう。なかなか事態は想定どおり進まないし、最近の国民新党や平沼新党(?)さらには橋本前高知県知事や江田憲司代議士らの動き、さらに与野党入り混じっての議員連盟の活発化を見るとき、何か大きな政局の転換もありうるのかもしれない。小選挙区制の元で、それほど大きな政界再編成がおきる条件は少ないように思えるのだが、人間のやること、何がおきるかわからないのも政治なのだ。








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5月5日(月)
 
 
■労働者の生活改善は最低賃金の底上げから
 5月といえば、メーデーである。最近、メーデーに参加する労働者の数が年々減少していることが気になる。正規雇用労働者がリストラによって大きく削減されている一方で、メーデーなどに参加がしにくいパートや派遣、臨時といった非正規雇用労働者が増え続けていることの反映でもあろう。今年の春闘も、大手企業においてすら例年よりもわずかな賃上げで収束し、中小企業では賃上げどころではないというのが実態であろう。何せ、今年の春闘に際して、あの経団連ですら傘下企業に対し、条件のあるところでは賃上げを訴えたにもかかわらず、この結果なのである。やはり、最低賃金の底上げを政治主導で進める以外にないのではなかろうか。世界の先進国では。軒並み時間当たり賃金で1,000円を越しており、市場原理主義者が模範とするあのアメリカですら最近1,000円を上まわったのである。一刻も早くやらなければならない課題であろう。

■後期高齢者保険制度の廃止と抜本改革を
 メーデーのプラカードや出し物で目立ったのが、後期高齢者医療保険制度に対する批判である。ちょうど4月27日に実施された衆議院山口2区の補欠選挙の結果は、民主党公認の平岡候補が2万票以上引き離しての圧勝であった。保守王国山口でこれだけの勝利ができた背景の一つは、各種調査の結果を見ると、後期高齢者医療保険制度に対する批判がもっとも強かったといわれ、敗北の直後、福田総理は舛添厚生労働大臣を呼んで、後期高齢者医療制度の問題点を改善するよう指示をしたことが象徴的であった。
この制度については、2年前、後期高齢者保険制度の導入を自民党・公明党が強行採決で進めたことを忘れてはなるまい。高齢化社会をどのように支えていくのか、とくに必要な視点は保険者の権利を誰が代表してくれるのか、ということにあるのであり、これまでの制度では高齢者が所属していた保険制度の中でまかなわれていたことから、高齢者の権利もその中で不十分ながら代弁されていたのである。今度の制度は75歳以上の方たちで輪切りにされ、結果として誰も高齢保険者としての権利を主張できにくいものにしてしまったことにこそ一番の問題があるのだ。財政難を理由に、次々に高齢者の方たちの医療が「国民皆保険制度」の、いつでも・誰でも・どこでも医療にかかれる保証がなくなりつつある。詳細は省くが、かつて民主党が主張していた、いわゆる「突き抜け方式」に戻していくことがベストであろう。

■自民党は即時、解散・総選挙を実施すべきだ
それにしても、福田内閣の支持率の低下はとどまるところを知らない。まるで底なし沼のように低下し続けており、中には19%まで低下した調査も出てきている。前にも指摘したように、この福田総理大臣には自分のミッション=使命というものがまったく見えないわけで、いったい何のために総理大臣をなさっているのか問いただしてみたい気がする。5月6日から中国の国家主席が来日し、首脳会談が開催される。このレターが読者の皆さんに到着するときにはその会談の結果は出ているのだろうが、何せこの原稿を書いているのが5月5日朝なもので、予想する以外にない。ギョーザやガス田開発、さらにはチベット問題など日本の国益に従ってきちんとものが言えるかどうか、残念ながら多くは期待できまい。本来は、一刻も早く解散総選挙を実施すべきであるにもかかわらず、安倍政権、福田政権と政権のたらいまわしをしているに過ぎない。内閣総辞職ということになれば、小泉総理以降、3人も民意の審判を受けない総理が誕生することになる。直近の民意である昨年7月の参議院選挙の重みが、依然として失われること無く国会に反映せざるを得ないのだ。議会制度とは、しょせん有権者である国民の民意に依拠していく以外にはないのである。現行憲法は、なるほど政権選択においては衆議院の民意を優先しているものの、参議院にも国民の直接選挙という洗礼を受けた民意が堂々と存在しているのだ。その参議院が、どのように2院制の下で振舞うべきなのか、立法府である国会の本来機能を高めるべく、努力していく以外にない。今週7日には、参議院の有志で「参議院の在り方に関する勉強会」を発足させ、第1回目として駿河台大学の成田憲彦学長を呼んで勉強会を開催する。呼びかけ人のひとりとして、今日の状況の下でタイムリーなものになるよう努力していきたい。








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