2月4日(月)
■タイミングの良い、両院議長の斡旋 早いもので、もう1月が終わり、節分を迎え、暦の上では立春となる。でも、まだまだ寒い日が続く。実は、小生不摂生がたたり、先週1週間、急性気管支炎で入院する不始末をしでかしてしまった。一番国会が紛糾していたさなか、ベッドの上で切歯扼腕していた次第である。国民の皆様はもちろん同僚議員にも深くお詫び致したい。 さて、国会のほうは、自民党が急遽提出した、いわゆるつなぎ法案が、衆議院の財務金融委員会と総務委員会で与党側の多数で持って可決したものの、衆参の議長が斡旋に乗り出し、3月末の年度末までに国会で議論を尽くし、結論が出せるよう努力することで本会議での法案の成立にいたらず、とりあえず国会冒頭での混乱は回避された。もしこのつなぎ法案が衆議院で可決されていれば、60日ルールに基づき3月末までに参議院での結論が出せなければ、否決したものとみなして衆議院で3分の2での再可決によって、道路特定財源の暫定税率を、10年間に亘ってとり続けていくことを可能にしようとするもので、議会の制度として問答無用の数の力を借りた暴挙以外の何者でもないわけで、議長斡旋は、まことにタイミングよく適切なものといわざるを得ない。
■小泉内閣でも有言不実行だった道路特定財源の一般財源化 問題は3月末までに、国会でどのような論戦が繰り広げられ、どのような与野党合意が勝ち取れるのか、ということにかかってくる。何故、10年間にわたって59兆円もの道路財源が必要なのか、どうして道路だけが特定財源によって建設し続けられなければならないのか、この機会に徹底的に論議をしていく必要があるのだ。この道路特定財源の一般財源化については、かつて小泉元総理が総理になって初めて開催された2001年の5月の参議院の予算委員会で、小生とともに盟友であった故今井澄参議院議員が「本当に道路特定財源を一般財源化するのか」と、2度にわたって執拗に質問を繰り広げたのだが、小泉総理は「必ず実現させたい」という答弁であった。この道路特定財源こそは、自民党の道路族議員がしっかりと支えてきており、その一般財源化は自民党の権力基盤を壊すことになるだけに是非とも実現させたい課題であった。民主党内でも、この特定財源については賛否が半ばしており、2001年当時でも一般財源化するのなら、暫定税率は廃止するべきだ、という意見が多く主張されていたのを思い出す。小生は当時税制調査会の会長を引き受けており、暫定税率の一部を炭素税に振り替えていくべきだと主張してきた経過がある。今回の民主党の主張にある地球温暖化対策税に振り替えていく、という主張になってその考え方は踏襲されている。もっとも、最近では炭素税という形での環境税の主張が後退し、排出権取引制度の導入が大きな潮流になりつつある。どちらの課題も必要性があるように思うのだが、どうであろうか。
■道路特定財源制度の一般財源化は民主党政権の手で さて、道路特定財源問題について、最近では高速道路の整備計画について14,000km整備することが主張され始めている。たしか、小泉内閣の下で9,342kmの整備計画についても、それをどのようにするのかは新しく民営化する道路公団会社に任せることなく、必要があれば、政府や自治体が税金を投入してでも作るという新直轄方式の提案などがあり、まさか14,000kmというような計画が、政府が策定した道路整備計画に登場してくるとはとんでもないことである。ますます無駄な道路が作り続けられ、その赤字のツケを後世代に負担させ続けることになるのだ。とんでもない計画の前提として、道路特定財源の継続が続けられようとしているのだ。 そんなこともあり、病み上がりの勉強にと道路公団の民営化についての経過を振り返ってみようと思い、2冊の本を読み終えた。一冊は、元民営化委員会委員長代理田中一昭氏の書かれた『偽りの民営化』であり、もう一冊は元民営化委員川本裕子氏の『日本を変える』であった。いずれも民営化委員会の中で苦労されただけに、その内容は真に迫ったものであり、自民党の道路族議員と建設省道路官僚のすさまじいまでの抵抗振りが、余すことなく書かれている。と同時に、小泉総理の無責任な態度もまことに厳しく批判されているし、石原伸晃大臣の大臣としての資質の欠如もありのまま描かれている。これほどの徹底した改革つぶしを見るにつけ、あらためて国会の場面で堂々と道路特定財源の問題点について、徹底的な論議を巻き起こしていく必要があることを痛感させられる。事は、政官業の癒着の構造を叩き切れるかどうかにかかっているのだ。
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