2008年2月のニュースレター:[以前のニュースレター]
 
 
2月25日(月)
 
 
■防衛省は不祥事だらけ、石破大臣は責任を
 いよいよ今週で2月が終わろうとしている。国会は平成20年度予算が2月29日までに衆議院を通過するのかどうか、又、予算関連の租税特別措置法案がいつ衆議院を通過して参議院に送られてくるのか、注目の焦点になりつつある。
 もっとも、海上自衛隊のイージス艦が漁船と衝突した問題で、防衛省の発表する事実が次々と異なり、いったいどのような管理をしていたのか、防衛大臣の責任が厳しく問われる事態になりつつある。さらに、先週のレターで指摘した鳩山法務大臣の発言に対する責任追及問題も残っており、参議院での問責に持っていくかどうか問われている。

■日銀総裁の空白を作ってはならない
 また、本来政局マターではない日銀総裁の人事問題について、今週中にも次期総裁の名前が正式に提示されるものと見られていたのだが、民主党の中で次期総裁にノミネートされるであろう武藤副総裁について、副総裁に国会で同意する5年前は反対していたのに今回総裁になるときに賛成する積極的な根拠がなく、同意に賛成できないという声が強まっている。かといって、代わりの人材についての民主党としての人材の提示ができているのかどうか、あまりこの問題に直接的にタッチしていないので詳細なことは不明ながら、積極的に日銀総裁にはこの人が、という決め打ちができていないのではなかろうか。もし、同意できないということになれば、今のままでは福井総裁の任期は切れるわけで、総裁が不在という姿だけは絶対に作ってはならない。
 ただ、今回の日銀総裁人事の決定にあたって、衆参の議院運営委員会において、候補者に対する質疑が行われることになった。出来れば、日銀の金融政策を審議する財政金融委員会で堂々とオープンの形で、アメリカの上院の公聴会のような形が望ましいわけで、議院運営委員会の審議について、その議事録は総裁就任後に明らかにするというのはあまりにも腰が引けている。堂々と国民注視の下でのオープンな審議が強く望まれよう。

■道路整備計画は出鱈目で、59兆円の根拠薄弱
 さて、衆議院での予算の審議も公聴会が終わり、道路特定財源や社会保障問題などの集中審議も進められ、国民に対して今回の道路特定財源の延長が、いかに問題が多いかを明らかにできたといえよう。道路整備の前提をなしている交通量の予測調査の資料が、最新のものではなく古いデータを使っていたことや、1億円近いお金をかけて国土交通省の天下り外郭団体に対して調査委託をしたのだが、成果物としての報告書がまったく内容が不十分極まりない低水準のものでしかなかったことなど、枚挙に暇がない。答弁にたった冬芝国土交通大臣は、汗を拭き拭き弁解に追われ、今度はこういうことはさせない、というばかりで、道路特定財源を10年間維持し、59兆円もの巨大なお金を道路だけに支出することの積極的な正当性は、何一つ明らかにすることができていないのだ。
 先週、前鳥取県知事で慶応大学の片山善博教授から道路特定財源に対する見解を勉強する機会があったが、どうして地方自治体の首長さんたちが、そろいもそろって自ら自由に使えない特定財源を支持しているのか、まことに不可解であることや三位一体改革の時には、地方が自由になる財源を求めたのではなかったか、と鋭く問題点を指摘されていた。そのような行動に出る知事や市町村長さんたちにとって、国土交通省や都道府県の土木部の官僚から脅かされることに脅威を感ずることが、自分の経験の中でもあったことを披瀝されていた。分権改革にもっとも逆行する道路特定財源維持制度を、この機会に改革しなければ、日本の本当の改革にはならないことを民主党は強く訴え続けていかなければならない。

■出始めた、道路特定財源の修正の動き
 そうした中で、この道路特定財源を一般財源化するべきだ、と主張してこられた小泉元総理大臣が、「総理大臣が、そろそろ一般財源化を求める主張にも耳を傾け、野党側にも妥協すべきではないか」と発言されていたことが注目される。また、道路族議員のドンといわれた古賀元幹事長も、修正協議に応ずるようなニュアンスの発言をされてきている。どんな修正なのか、中味が不明確であるが、参議院段階での修正協議が実現される雰囲気が出てきはじめているように思える。一般財源化だけは譲ることはできないが、それ以外は大いに修正の余地があるのではなかろうか。








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2月18日(月)
 
 
■予算関連法案は時間をかけてしっかり議論すべきである
 国会は、衆議院の予算委員会の審議と平行して、焦点となっている租税特別措置法をはじめとした予算関連法案の審議に入る。今週の19日に予算関連法案の本会議での質疑に入り、20日と22日の両日は租税特別措置法の審議に入ることになっているものの、両院議長の斡旋にあるように、参考人からの聴取や公聴会の開催などは未だ決まっていない。そうした中で、来年度の本予算の質疑は、22日の公聴会が設定されたことにより、与党側は来週29日までに衆議院を通そうとしているようだ。それと同時に、予算関連法案も同時に衆議院を通過させ、参議院に送ろうとしており、昨年同様与党側は強行採決を進めてくることも予想される。両院議長の斡旋にあるような、修正協議の余地は少なく、修正協議の場は参議院が主戦場になる可能性が大である。それにしても、参議院に来たとしても時間はあまり残されておらず、十分な審議時間が確保できるかどうか、まことにおぼつかない。それだけに、時間をとってしっかりと論議をしていく必要があるのだ。

■鳩山法務大臣は罷免すべきだ
 それにしても、鳩山法務大臣の問題発言が、またまた波紋を投げかけている。全国の検察幹部を集めた会合で、鹿児島県の志布志事件については冤罪とはいえない、などと発言をしたと報道されている。明らかに、警察や検察のでっち上げ事件なのであり、冤罪事件と呼ばずして何というのが適当なのか、理解に苦しむ。直ちに罷免すべきである。
 最近、冤罪事件が何故多発するのか、多くの貴重な出版物が出されてきている。一番最初に驚きをもって読んだのが、佐藤優氏の書かれた『国家の罠』であり、そこで特捜刑事から取調べ中に「国策捜査」という言葉が発せられたことを記録されている。そこでは「国策捜査は時代のけじめをつけるために必要。象徴的事件を作り出して断罪する」と語っている。何が何でも犯罪を作り上げていくというすさまじさを痛感させられる。
 また、最近シロアリ駆除会社のキャッツという会社の経営者が犯した経済犯罪に巻き込まれた、公認会計士である細野祐二氏の書かれた『公認会計士VS特捜検察』がベストセラーになっている。これも、検察の書いた筋書き通りの捜査に対して、取調べから獄中にあって、一貫して無罪を主張し続けた公認会計士の全面的な反論が論述されており、日本の司法・法務行政のあり方を、鋭く批判している。
 そして、何よりも、元東京地検特捜部の検事であった田中森一氏が昨年6月に書かれた『反転』の中で、特捜検察が「主任検事がストーリーを書いて、そのストーリーに沿って担当検事が被疑者の供述調書をとる」事を暴露されている。今まで冤罪被害者がこのことを訴え続けても検察庁はそれを認めてこなかったのだが、田中森一氏の告白はそれを行ってきた張本人がその事実を認めたものだけに、注目すべきである。

■「戦時刑事特別法」の残滓を早く一掃すべきだ
 さらに、先の公認会計士である細野祐二氏は、日本の起訴有罪率が第二次世界大戦前までは、90%前後であったのに、戦後は実に99.9%というほどにまで高まった背景に着目し調査された結果、なんと戦時刑事特別法というものが、昭和17年2月23日に成立し、その中で第26条に、裁判の判決に当たって「有罪の言い渡しを為すに当たり証拠により罪と為すべき事実を認めたる理由を説明し法令の適用を示すには証拠の標目および法令を持って足る」とされ、それが戦後63年間たってもそのまま持続されているのだという。
 また、とんでもない密室のもとで、検察官の取調べによって被疑者が自白し、署名した調書を「検面調書」というが、大変な証拠能力を持っている。さらに、本人が自白しなくても、共犯者の供述でも有罪とすることができる、という恐るべきことが起きているのだ。例え、共犯者がうその供述調書と異なる真実を法廷で証言しても、「公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の状況の存するとき」(これを「特信情況」という)には、やはりうその供述が採用されてしまうのだ。この「特信情況」についても先の「戦時刑事特別法」によって定められているという。さらに、昭和18年、東条英機内閣の下でその法律がさらに改悪が進められ、検面調書の証拠採用を認めることにしているのだ。いまだに戦時立法が支配している現状に戦慄を覚えるのは小生だけではあるまい。法務大臣は、直ちにこの改正に着手すべきなのだ。





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2月12日(火)
 
 
■早急に、与野党の予算関連法案に対する協議の場づくりを
 国会のほうは、つなぎ法案に対して両院の議長が斡旋に乗り出し、年度末までに一定の結論を得なければならないのにもかかわらず、その後国会の動きを表面的に見る限り、進展はないようだ。両院議長まで繰り出した上での約束であり、これから3月末までにどのような与野党の協議に入っていくべきなのか、真剣に考えていく必要がある。つまるところ、今回の道路特定財源の問題について、与野党でどのような修正協議が可能なのか、立法府として結論を出していく必要があるのだ。石油価格の高騰という条件もあるが、何よりも国民生活にとって大変影響のある法案であり、租税特別措置法案全体を年度末までに通さないということではない。民主党は、早くから民主党が賛成できる法案と、反対する法案を分けて出すべきだ、と主張してきたのだが、政府・与党側はまったく聞く耳を持たず、すべて一本化してきたのだ。

■道路特定財源の一般化こそは譲れない
 与党側は、民主党に対案を出せと主張しているが、もちろんその準備は整ってきており、予算の審議とともに予算関連法案の審議に、しっかりと時間を尽くす必要がある。何せ、道路特定財源を今後10年間に亘ってとり続け、その規模は59兆円という途方もなく膨大なものになっているのだ。国民一人当たり50万円、4人家族で200万円という大変な負担である。もちろん、道路が要らないといっているのではない。必要な道路は一般財源から出しても良いのだ。今医療や介護の現場では財源がカットされ続けてきたために、お医者さんや介護従事者が、苦しい現場から避難し始めていることを忘れてはならない。まことに過酷な労働条件の下で精一杯、努力しても、あまりにも報われないことに対する無言の抵抗の表れなのだ。ご存知であろうか、小泉内閣の最後の経済財政諮問会議の2006年の決定が閣議決定され、毎年2200億円もの社会保障費が削減され続けることになっているのだ。それを思うとき、道路だけが特別扱いされる状況にないことは言うまでもあるまい。どんな修正協議がなされたとしても、道路特定財源の一般財源化だけは絶対に譲ることはできない。

■55年体制の下での眠れる国会から、活力ある熟議の国会へ
 問題は、どのようにして国会という場で修正協議に入ることになるのか、である。民主党としても、具体的にどのような論議を展開し、どんな場で修正協議に持ち込んでいくべきなのか、早く戦略・戦術を議論していく必要がある。それを考えるとき、一つの良い例が目の前に存在していたのだ。それは、すでに通過した補正予算と補正予算関連の法案の処理である。補正予算にはもちろん党として反対したのだが、補正予算関連法案については、政府の財政見通しの過大見積りによって税収が不足したため、補正予算で地方交付税を削減すべきところを、地方交付税法を改正して補填したもので、地方財政が厳しいこともあり、民主党として賛成したのだ。予算全体に反対し、個別法案に賛成するというわかりにくい対応になってしまった。もちろん、地方交付税法案に反対すれば、参議院で否決され、衆議院に送付され、3分の2で決議されるという流れになるということもあり、そこまではできないと判断したのだ。

■両院協議会の活性化も一つの道ではないか
 でも、ここで考えてみたい。補正予算に反対し、同時に地方交付税法に反対しても良かったのではないか。その上で、両院協議会の場で、交付税法案に対しては、参議院としては反対したが、両院協議会の場で、お互いに協議した結果賛成に回り、修正していくことも可能ではなかったか。こういう両院協議会の場で、衆参の立場を論議して、修正協議していくことが慣行となれば、それも国会での論議の活性化につながる一つの道ではないだろうか。もちろん、財政金融委員会の場で、小委員会を設置して修正協議に入ることも不可能ではない。問題は、憲法で国権の最高機関とされているのに、55年体制の下での与野党の対立に慣れているために、国会が機能させてこなかったことこそが問題なのだ。
 同じ問題として、日銀総裁の人事問題がある。国会の同意人事であり、今後の5年間の金融政策の舵取りを任されるだけに、しっかりと国会の委員会の場で堂々と公開の場でじっくりと経綸を聞くべきときだ。








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2月4日(月)
 
 
■タイミングの良い、両院議長の斡旋
 早いもので、もう1月が終わり、節分を迎え、暦の上では立春となる。でも、まだまだ寒い日が続く。実は、小生不摂生がたたり、先週1週間、急性気管支炎で入院する不始末をしでかしてしまった。一番国会が紛糾していたさなか、ベッドの上で切歯扼腕していた次第である。国民の皆様はもちろん同僚議員にも深くお詫び致したい。
 さて、国会のほうは、自民党が急遽提出した、いわゆるつなぎ法案が、衆議院の財務金融委員会と総務委員会で与党側の多数で持って可決したものの、衆参の議長が斡旋に乗り出し、3月末の年度末までに国会で議論を尽くし、結論が出せるよう努力することで本会議での法案の成立にいたらず、とりあえず国会冒頭での混乱は回避された。もしこのつなぎ法案が衆議院で可決されていれば、60日ルールに基づき3月末までに参議院での結論が出せなければ、否決したものとみなして衆議院で3分の2での再可決によって、道路特定財源の暫定税率を、10年間に亘ってとり続けていくことを可能にしようとするもので、議会の制度として問答無用の数の力を借りた暴挙以外の何者でもないわけで、議長斡旋は、まことにタイミングよく適切なものといわざるを得ない。

■小泉内閣でも有言不実行だった道路特定財源の一般財源化
 問題は3月末までに、国会でどのような論戦が繰り広げられ、どのような与野党合意が勝ち取れるのか、ということにかかってくる。何故、10年間にわたって59兆円もの道路財源が必要なのか、どうして道路だけが特定財源によって建設し続けられなければならないのか、この機会に徹底的に論議をしていく必要があるのだ。この道路特定財源の一般財源化については、かつて小泉元総理が総理になって初めて開催された2001年の5月の参議院の予算委員会で、小生とともに盟友であった故今井澄参議院議員が「本当に道路特定財源を一般財源化するのか」と、2度にわたって執拗に質問を繰り広げたのだが、小泉総理は「必ず実現させたい」という答弁であった。この道路特定財源こそは、自民党の道路族議員がしっかりと支えてきており、その一般財源化は自民党の権力基盤を壊すことになるだけに是非とも実現させたい課題であった。民主党内でも、この特定財源については賛否が半ばしており、2001年当時でも一般財源化するのなら、暫定税率は廃止するべきだ、という意見が多く主張されていたのを思い出す。小生は当時税制調査会の会長を引き受けており、暫定税率の一部を炭素税に振り替えていくべきだと主張してきた経過がある。今回の民主党の主張にある地球温暖化対策税に振り替えていく、という主張になってその考え方は踏襲されている。もっとも、最近では炭素税という形での環境税の主張が後退し、排出権取引制度の導入が大きな潮流になりつつある。どちらの課題も必要性があるように思うのだが、どうであろうか。

■道路特定財源制度の一般財源化は民主党政権の手で
 さて、道路特定財源問題について、最近では高速道路の整備計画について14,000km整備することが主張され始めている。たしか、小泉内閣の下で9,342kmの整備計画についても、それをどのようにするのかは新しく民営化する道路公団会社に任せることなく、必要があれば、政府や自治体が税金を投入してでも作るという新直轄方式の提案などがあり、まさか14,000kmというような計画が、政府が策定した道路整備計画に登場してくるとはとんでもないことである。ますます無駄な道路が作り続けられ、その赤字のツケを後世代に負担させ続けることになるのだ。とんでもない計画の前提として、道路特定財源の継続が続けられようとしているのだ。
 そんなこともあり、病み上がりの勉強にと道路公団の民営化についての経過を振り返ってみようと思い、2冊の本を読み終えた。一冊は、元民営化委員会委員長代理田中一昭氏の書かれた『偽りの民営化』であり、もう一冊は元民営化委員川本裕子氏の『日本を変える』であった。いずれも民営化委員会の中で苦労されただけに、その内容は真に迫ったものであり、自民党の道路族議員と建設省道路官僚のすさまじいまでの抵抗振りが、余すことなく書かれている。と同時に、小泉総理の無責任な態度もまことに厳しく批判されているし、石原伸晃大臣の大臣としての資質の欠如もありのまま描かれている。これほどの徹底した改革つぶしを見るにつけ、あらためて国会の場面で堂々と道路特定財源の問題点について、徹底的な論議を巻き起こしていく必要があることを痛感させられる。事は、政官業の癒着の構造を叩き切れるかどうかにかかっているのだ。







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