2007年11月のニュースレター:[以前のニュースレター]
 
 
11月26日(月)
 
 
■額賀財務大臣の発言は重大である
 国会はテロ特措法が期限切れとなったため、新しい給油法案が衆議院から参議院に送付されたものの、参議院ではまずイラク特措法を廃止すべきだという民主党などの主張が強く、依然として出口が見えないまま推移している。
 こうしたなか、外交防衛委員会の証人喚問の中で、守屋前次官の証言が飛び出し、宴席に同席した政治家として久間元大臣と額賀財務大臣の2名の名前が明らかとなり、先週は参議院の財政金融委員会での一般質疑の中で、その点の解明に向けた論戦が実施された。民主党の辻委員は、実際に宴席に同席した方たちからのヒアリングを実施して額賀氏がどういう席順で座っていたかも明らかにしているのだが、額賀財務大臣のほうも、言われている当日には別の会合に出席しており、民主党の主張に対して事実ではないと強く発言された。問題は守屋前次官との食い違いだけでなく、民主党の調査ともまったく食い違っており、その後、額賀財務大臣は記者団に対して、強く民主党に対して抗議されている。
 こうなった以上はどちらが正しいのか、白黒つける必要があり、早急に委員会の再開が求められている。今度は額賀財務大臣の証人喚問や、守屋前次官と額賀財務大臣両名を招いての証人喚問なども要求されている。財政金融委員会として、それらの要求を実現していくことが国民世論の要望になっているわけで、何らかの委員会開催が避けられなくなっていると判断する意外にない。委員長としての判断が求められる局面に遭遇する可能性が高くなっているのだ。慎重に、公正に判断していきたい。

■いよいよ60日ルールが実施されるのか
 さて、22日にアセアン首脳会議から帰国された福田総理大臣と、野党党首との党首会談が開催され、予想通り給油新法の参議院での可決を求めてきた。小沢代表は反対を表明され、この間の原則的な立場を貫かれたわけで、いよいよ参議院での審議が今週中には始まろうとしているだけに、参議院での審議時間が不足することや、60日以内に議決しないときには否決したものとみなされ、衆議院に送付され3分の2の可決でもって成立させていくのではないか、と予想され始めている。そうなると、総理大臣の問責決議案の提出によって政局が一気に流動化し、解散総選挙にいたる流れもうわさされ始めている。どんな展開になっていくのか、またどうしていくことが一番良いのか、与野党ともじっくりと論議をしていく必要がある。
 そうしたなかで、党首討論の開催が12月12日という会期末を控えた日に開催されることが決まった。もっと早く、何度でも開催して予算問題や税制改革問題など、国民生活にかかわる課題について論議してもらいたいものだ。もっとも、12月12日にはどんな展開になっているのか、予断を許さない。今年の年末年始は、政治の世界では波乱含みに展開するようだ。

■租税特別措置は企業に対する隠れ補助金なのだ
 さて、先週の21日から租税特別措置の見直しチームを民主党税制調査会の中に設置し、第1回目のヒアリングを実施した。第1回目は農林水産省であったが、中には制度が設置されて30年以上も継続されているものや、いったい租税特別措置によってどのぐらい減税されているのか、自分の省庁ではつかんでいないのに、減税の効果が不明なままで要求している事案が多く見受けられるのだ。今年の租税特別措置の中には道路特定財源の暫定税率の期限切れも含まれており、民主党がどのような態度をとっていくのか、国民生活に直結する分野でもあり、きわめて重要な課題になりつつあるのだ。
 今週からは、一番の課題が多く残っている経済産業省などのヒアリングを実施し、来年度の租税特別措置法案に対する民主党の方針を確定することになる。とくに企業関係租税特別措置については、黒字を上げている企業だけが恩典に良くする減税を実施するわけで、既得権の温存になりやすく、税の公平性という観点から見てもまことに問題が多い制度なのだ。今、財政が大変厳しい状態にある中で、減税という隠された補助金を支出する必要があるのかどうか、厳しく見ていく必要がある。






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11月19日(月)
 
 
■15周年記念パーティ、無事終わる
 北海道に続いて、東京で開催した在職15周年パーティは、450人近い方たちの参加をもって無事終わることができた。ご参加いただいた方や、ご協力していただいた方たちに、この場をお借りして心から御礼を述べたい。ときに、渡辺金融担当大臣も、急遽駆けつけて挨拶されるなど、和やかな雰囲気が漂っており、多くの方から好評であった。
 考えてみれば、この15年間という歳月は、長いようで短く本当にあっという間に終わった感じがする。現在ようやく参議院で与野党が逆転した。この状態は政界再編成がない限り、解散もなく変化しない。衆議院の解散総選挙は、あと1年10ヶ月以内には必ずあるのであり、文字通り政権選択をかけた戦いになることは必至である。15年前、最初に参議院選挙に出馬する際、政権交代ができる日本の民主主義を目指していくことを公約してきただけに、全力で解散・総選挙の戦いに挑んでいくつもりである。札幌会場でも、東京会場でもそのことを強調させていただいた。力いっぱい戦い抜きたい。

■やっぱり大連立が正しい、とされるのか?
 そうしたなか、小沢代表の大連立参加問題に端を発した辞任騒動は、マスコミの世論調査を見る限りあまり大きな失点になっていないようだ。むしろ、福田政権に対する支持率の低下が進んでおり、まさに「雨降って地かたまる」と言ってよい状況にある。全党一丸となって突き進んでいくべきときなのだ。ところが、肝心の小沢代表は、朝日新聞のインタビューで、「一連の経過の総括と今後の政権戦略は」という問いに対して、「政治判断は今でも正しいと思っている。選挙で勝てる最大の方策だ。だが、みんながそれを望まないというんだから、その方法は捨てる以外ない。残念だけど。もう選挙で勝つ以外ないさ。特別なことは何もない」というやり取りになっている。本当に大連立でもって自民党が民主党の政策を丸呑みするのかどうか、いや、丸呑みしたことによって再び自民党の復権に手を貸してしまった1998年の金融国会の二の舞になるのではないか。そのことを一番批判されていたのが、小沢代表ではなかったか。よく理解できないのは小生だけであろうか。パーフェクトではない方法しか選択されない、というのでは今後の戦い方について十分なものにならないわけで、本当に正しいと考えられているのであれば、民主党内の論議を巻き起こして、正しいと考えておられる道を説得されるのが筋ではないだろうか。やや、腑に落ちない気持ちがする昨今である。

■これからの1ヶ月が今後の国会のあり方を決める
 いずれにせよ、国会は「給油新法」が衆議院を通過し、参議院に送られてきた。ところが、15日に開催された参議院の外交防衛委員会の証人喚問で、証言に立った守屋前防衛事務次官が、接待の場で同席した政治家の実名を上げ、一人は額賀財務大臣、もう一人は久間元防衛大臣であった。両名ともにそのことを否定されているが、事実の究明が必要になっているわけで、小生が委員長を務める財政金融委員会では、22日に一般質疑の中でそのことを質すことにしている。おそらく、それ以降の国会日程の中で連休明けの26日以降に審議は持ち込まれることは必至であり、12月15日の延長された国会日程の中では採決にまで至らなくなる可能性が大きく、さらに再延長して来年1月にまでずれ込んでいく可能性すら予測されている。参議院で否決されれば、あるいは衆議院から送付されて60日を過ぎれば否決とみなされるわけで、あらためて衆議院で3分の2の賛成で通すことになるのか、世論の動向なども踏まえて、解散総選挙をにらんでの攻防に持ち込まれることは必至である。これからの1ヶ月間は、ねじれ国会の今後のあり方を決める重要な1ヶ月間になりそうである。
 それにしても、11月17日で北海道拓殖銀行が破綻してちょうど10年を迎えた。その後の金融制度改革の進展は、政府の税金を30兆円以上投入するなど、拓銀や山一の犠牲の上に今の金融機関の存在があるのだ。今メガバンクは史上空前の利益を上げている。ただし、過去の損失があるため依然としてその多くは法人税を払っていない。いまだにバブル期に、相続税対策と称して貸し込んだ融資が払えなくなり、担保物権を競売にかけられようとしている銀行被害者の方たちの悲鳴が聞こえてくる。貸し手の責任はどこに行ったのか、銀行の優越的地位を乱用した貸し手責任は、などなど、消費者・生活者にとって問題は何も解決していないのだ。







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11月12日(月)
 
 
■小沢辞任問題の傷は深い
国会は12月15日まで、35日間の延長になった。先週1週間は、小沢代表と福田総理との党首会談を受けて大連立構想が提起され、それを民主党執行部が否決をしたことから小沢代表の辞任の記者会見となり、辞任を阻止するために民主党国会議員の当選期別懇談会が開催され、結果として小沢代表は辞任を撤回され、再び総選挙勝利に向けて全党一致団結して戦い抜く決意を表明され、ひとまず落ち着いた。「雨降って地固まる」という表現が適切なのかどうか、とにかく解散総選挙に向けて結束していくことを決定したのだ。
 もちろん、この間の小沢代表辞任発言の与えた国民に対するダメージは、大変深刻なものがあり、両院議員懇談会の席で仙谷衆議院議員がいみじくも指摘したように、国民の気持ちと代表復帰を求める両院議員懇談会の雰囲気とは、明らかに大きく乖離したことは間違いない。そのギャップをどのように埋めていくのが、民主党の国会議員をはじめ全党員の課題はまことに重いものがある。

■自民党は、政権維持に向けてあきらめていない
問題は、まだまだ簡単に終わるようなものではない。衆参のねじれといわれる状態は変わっておらず、衆議院で与党側から提案された法案や人事を、野党である民主党は参議院で否決することができるのであり、対決法案については成立が困難なままである。それだけに、与党側からの働きかけは依然として終息していない。日曜日に放映されたNHKTV放送の中でも、自民党の伊吹幹事長は鳩山幹事長に対して連立協議に入るよう働きかけていたし、二階総務会長も、商談は破談したところから始まる、という趣旨の発言を繰り返されている。
 今週からはテロ特措法がらみの新法が、衆議院から参議院に移ってくる。この法案に対してどのような戦い方をするのか、民主党としての態度が問われる。民主党として、この法案に対しては反対を貫くことを明言しているわけで、参議院で否決すればもう一度衆議院に返されて3分の2の多数で可決することにするのかどうか、その場合、参議院で総理大臣に対する問責決議を出すのかどうか、世論の動向が大きく鍵を握る。世論の動向如何では、解散含みの展開になるだけに、虚虚実実のかけ引きが展開されることは必至である。

■日本の統治機構である二院制は、深刻な問題を抱えている
それにしても、問題の根源には日本における二院制の抱える深刻な問題がある。何度もこのレターで指摘しているように、日本の参議院は法律に対して3分の2条項はあるものの、ほぼ対等であり、大変な権限を持っているのだ。しかも、6年間議員の資格は保証されているし、3年に1度の半数改選であり、この状態は衆議院で民主党を中心にした野党が多数を握るまでは変わらないのだ。今までは、自民党が衆参ともに過半数を掌握してきた期間が長かったため、あまり問題にされてこなかったのだが、9年前の与野党逆転の際には民主党の法案を丸呑みした上で、自由党、次いで公明党を連立に加えることによって政権を維持してきたのである。衆議院という権力の府が、自民党だけで過半数を維持できていながら、参議院で過半数を割り込んでいるために過大な連立政権になっているのだ。まさに、参議院が政権のありようを決めるという、憲法がこのような事態を想定していたのかどうか、まことに統治機構に内在する根源的な矛盾が露呈しているのだ。

■やがては、衆参の機能分担を進めてはどうか
当面、次の解散総選挙で民主党は全力をあげて戦い抜き、衆議院での過半数を獲得していく以外にない。衆参のねじれを解消できるのは、そのことを通じてしか当面の3年間はないのだ。万が一衆議院で過半数を取れなかったときどうするのか、議会に席をおくものは考えなければならない大きな試練に直面する。おそらく、再び連立政権問題が始まる可能性が大きい。その場合、政界の再編成含みになる危険性をはらんでいる。参議院から17名の議員を与党側に持っていかれたら、そのとき与野党のねじれは解消に向かう。そんなことを許しては、国民の下した選挙の結果に背を向けることになるのだ。また、大連立政権を進めても、国民の望むものとは程遠くなる。ここは、衆議院と参議院の本来的なあり方に徹し、機能分担を含めて真剣かつ深刻な論議を巻き起こしていく以外にない。この問題は、たとえ次の総選挙で勝ってねじれが解消できたとしても、一時的なことでしかなく、根本的には何も解決できていないのだ。そんな深刻な問題を抱え続けながら、政治の現場で戦い抜くしかないのだろう。







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11月5日(月)
 
 
■まったく理解できない小沢代表の一連の行動
 政治の動きは、時として理解不能な局面を迎えるときがある。今回の民主党小沢代表と自民党の福田総理大臣との党首会談の経過と小沢代表の辞任問題については、まったくもって理解できないのだ。なぜ、党首会談が党首討論を控えた前日に開催されたのか、又、継続して11月2日金曜日に再開されたのか、そこで何が話し合われたのか、どちらが今回の大連立を提起されたのか、などなど、まことに不明だらけである。
 ましてや、昨日の小沢代表の記者会見については、大連立を受け入れる条件の中で、民主党がまだ政権担当能力に乏しいことや、次期解散総選挙での勝利が難しいことなどをあげておられるのだが、このような指摘を民主党の代表自身がなされることについても不可解である。というのも、参議院選挙を通じて民主党を政権交代させてもらいたい、そのためにはまず参議院選挙で与野党逆転を勝ち取らせていただきたい、と訴えてこられた張本人が小沢代表だったのではないか。多くの民主党を支持してくださった国民の皆様も、次の解散総選挙で自民党を打ち破り、民主党を中心にした野党勢力の躍進によって政権交代を図るという姿を望んでおられたはずなのだ。金曜日の2度目の党首会談の直後行なわれた民主党役員会で、発言された総ての議員が大連立について反対されたのは当然のことといえよう。そのことは、決して小沢代表に対する不信任を意味していない。唐突な大連立政権の提起に対して理解できないという、賛成できないという意思表示なのだと思う。小沢代表の下で、参議院選挙が勝利できたことは大変な成果であり、引き続き解散・総選挙に向けて全力を尽くしてもらいたいということが民主党の総意だったはずなのだ。

■大連立は次の総選挙結果次第だ
 昨日の記者会見の中で、今回の大連立にもって行きたいと考えられた条件の中で、参議院選挙で掲げた政策である年金・子育て・農家に対する戸別補償政策などの実現が今のままではできないことをあげておられる。もちろん、その政策を実現させたいということは我々の公約であるものの、2院政の下では衆議院での過半数の支持が必要なのであり、そのために来たるべき衆議院選挙でのたたかいが文字通り天王山だったのだ。こんな見え透いた発言が為されるのは何故なのか、まったく不可解である。
 こんなことがまったく想像できなかった9月初旬、軽井沢で開催された民主党新緑風会の研修会で、小生が小沢代表に対して次のような質問を投げかけたことを思い出している。小沢代表は、かつてイギリスのような2院政が望ましいとされていたが、今回の参議院選挙で与野党が逆転したことを受けて、参議院を主戦場に国会を戦われることについて、どのように考えておられるのか、という要旨であった。それに対して小沢代表は、確かにそのような見解を持っているのだが、現実の日本では憲法の規定もあるし、選挙制度もイギリスとは違っており、逆転した参議院を主戦場にして闘いを進め、解散総選挙に向けて闘う以外にない、というようなやり取りだった。結局、衆参のねじれがある中で、公約の実現のために政権入りをすることが目標とされたのだが、そのような行動は、参議院選挙のときに提起されておらず、国民の支持を得ていない致命的な欠陥を持っているのだ。
 また、10月31日、ある会合で菅代表代行、赤松選対委員長などと雑談する機会があり、党首会談で大連立問題が話し合われたのではないか、という議論になった。その際、赤松議員から自社さ政権の経験が話され、国民の民意を経ない政権参加が誤りであったことを指摘されていた。今回の小沢代表の唐突な連立の提起に対して、最初に反対の論陣を張られたというのも自社さ政権の経験があったからかもしれない。あまりにも、タイミングが良い雑談会であった。

■解散・総選挙に向けて新代表,新マニフェストを
 さて、これからの流れはどうなるのだろうか。小沢代表の辞任の決意を翻すべく執行部の慰留工作は続けられるだろうし、続けるべきだが、なかなか撤回は困難になるのではなかろうか。当面、代表代行が文字通り代行を勤めていただき、臨時国会終了後、新しい代表の選出という運びにしていくべきだと思う。次の解散・総選挙に向けて、新しい代表と新しい政策で持って闘うべきだと思う。
 それにしても、11月2日、小生の15周年パーティが札幌で開催したのだが、15年間という期間、一体日本の政治は何が改革されたのか、むなしく感じたのは小生だけだろうか。あらためて、ご参加くださった皆様に感謝したい。





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