2007年5月のニュースレター:[以前のニュースレター]
 
 
5月28日(月)
 
 
■「ふるさと納税」制度は参議院選挙目当ての「毛ばり」だ
 早いもので、もう6月に入ろうとしている。国会の会期は6月23日まで、もう1ヶ月をきっている。舞台は衆議院から参議院へと移り始めており、選挙の争点と絡んで問題が絞られつつあるように思われる。
 そうした中、一つは地方と中央の格差の問題で、菅総務大臣が提唱した「ふるさと納税制度」なるものが打ち出されてきたが、その目的は本当に地域の格差問題ではなく、6月の給与から天引きされる地方住民税の大幅なアップを、カモフラージュするためのものでしかないのではないか、というところにありそうだ。27日のNHKの日曜討論でもこの問題が提起されたのだが、亀井国民新党副代表が言うように「毛ばり」と理解すればわかりやすい。だいたい地方税の一部(1割という)を自分の育った「ふるさと」を指定して、そこに税を振り向けるというものであるが、地方税とは受益と負担が一致していなければならない、ということからして原理的になじまないのではないか、という批判があるとともに、本来地方と東京都の格差を是正する役割は、中央政府に責任があるのだが、小泉改革のもとで三位一体改革と称して地方交付税を5兆円近く削減してきたことの影響が出てきているし、4兆円の補助金を3兆円分の所得税から住民税へ税源移譲してきたことによって、住民税の税源の乏しい過疎地域にとっては、ますます使える財源が少なくなってきたことが格差拡大の要因として大きい。

■地方に安定財源の拡充を
 一方で、景気回復の恩典は東京や輸出の増えている愛知県などで税収が増えてきており、他方で北海道のような過疎地域ではマイナスになっているのだ。とくに法人事業税・法人住民税の格差は、東京都と最低の県とでは7倍近い格差が出ており、そのことの是正こそが求められているのだ。地方の法人2税を国税にし、その分を地方消費税として振り替えていけば、今よりも格差は縮小するとともに、好不況の波が地方財政を翻弄することを防ぐことができるわけで、東京都などにとっても中長期的に望ましいのだと思う。格差問題は、まさにそこにふれて改革していく必要があるわけで、「ふるさと納税」制度の提唱はまさに「毛ばり」以外の何物でもないのだ。とくに、この6月から住民税の負担が、年収600万円で夫婦子供2人という世帯にとって約2倍になる。そこで、重くなる住民税の一部をふるさとへ、というごまかしの格差是正にしたいと考えているのだろうが、国民はこんな選挙目当てのごまかしに惑わされてはならない。求められているのは、国と地方の財政調整であり、国民に対して、ふるさとやがんばっているNPOへの寄付金をし易くするような寄付金税制改革である。

■無責任な「消えた5000万件の国民の年金記録」への対応
 もう一つ大きな問題になりつつあるのが、国民の納めた大切な年金の記録が、約5000万件も誰のものかわからなくなっていることである。先週の木曜日25日に東京都三鷹市にある社会保険庁の年金記録をコンピューター管理している「社会保険業務センター」と、文京区にある社会保険事務所に出向いて調査を行ってきた。問題は現在法案が審議されている衆議院の厚生労働委員会で、柳沢大臣は「とにかく支払ったという証拠になるものを持ってきていただき、その上でそれが事実かどうか調べていく以外にない」という役所本位の答弁しかできず、国民の大切な年金記録が社会保険庁の責任で、誰のものかわからなくなっていることを自らの責任で訂正していきたい、という姿勢が欠如していたのであり、ようやく26日厚生労働委員会の場で、強行採決する直前になって、安倍総理大臣から、どんなに時間がかかっても法律上の時効をはずして調査し、支払えるようにしたいと発言されたものの、一体いつまでにやるのか、という点については明言を避け、社会保険庁が解体されてなくなった後で、本当にすべての記録について確実に調査がなされるのか、国民にとって誠に不安極まりなくなっているのだ。あまりにも杜撰な対応に対して、国民の怒りは高まっており、参議院の場でもしっかりと追及していきたい。三鷹の業務センターでは実際のコンピューター管理は年間1000億円支払って、すべてNTTデータに丸投げしており、社会保険庁には、システムエンジニアは誰もいないとの事であった。これで本当に年金の管理がきちんとなされているのか、その面からも大いなる疑問を持った次第である。
 さて、今週30日、再びクエスチョンタイムが開催される。是非とも参議院選挙に向けて、民主党と与党との違いを明確に際立たせてもらいたいものだ。





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5月21日(月)
 
 
□党首討論に力を入れて欲しい
 初夏らしいさわやかな季節となった今日この頃であるが、政治のほうは波がだんだんと高くなってき始めた。
 先週は今通常国会になった初めて党首討論が開催され、45分間の論戦が繰り広げられた。小沢代表に対して、党首討論に出席して憲法改正問題や教育関連三法案、さらには社会保険庁の解体問題など、政府与党側をしっかりと追及してもらいたいという要望が強く出されてきたし、小生も議員総会でその旨要求したことがある。ようやく実現したものの、厳しい追及を迫っていくというタイプではないためか、何か焦点がはっきりしないやり取りに終始してしまったように思われる。安倍総理の防衛大学校の卒業式の際の訓示に対して、文民統制からしていかがなものか、というくだりのやりとりがあったのだが、先週の金曜日に発足した、有識者を集めての集団的自衛権の解釈を変更させよう、とする動きに対して何らかの追求があってしかるべきだと思えたのだが、触れられることなく終わってしまった。靖国問題についても、総理大臣として献花をしていたことが明らかになったことなど、外交問題などでも課題はあったはずで、やや物足りなさを感じたのは小生だけでなかったようだ。もう一回開催されることになるという。参議院選挙を前にして民主党が求めている格差問題や年金問題など、政治は生活であるという観点をしっかりと打ち出してもらいたい。

□不可解な経済財政諮問会議議事録の非公開
 さて、経済財政諮問会議や各省庁のホームページを見ていると、時には大変気になった出来事が突然出てきて驚かされる。
 まず経済財政会議の議事要録が公表された。いつも会議が開催されれば、直ちに資料と担当大臣の解説と記者会見の概要が公表されるし、3日後には議事要録が公表されることになっている。そのこと自体は誠に国民に対する情報公開として優れており、議事録が公開されることによって、誰が「改革」に賛成をし、誰が反対しているのかが良くわかり、小泉改革(?) 推進の場として大きな影響力を持ってきたといえよう。ところが、最新の第13回の経済財政諮問会議が5月15日に開催され、その議事要録は18日に公表されたのであるが、議題となった「地球環境問題について」は資料も議事要録も削除され、公表されなかったのである。もちろん会議の冒頭でそのことを断っているし、その理由として外交交渉に影響があるから、ということになっているのだが、なんとも理解に苦しむ。外交交渉であれば、WTOであれG8であれ、交渉ごとに関連することは多いわけで、何も遠慮することなく公表していくべきだと考えるのだが、いかがであろうか。4年後の正式な議事録公表まで何が話し合われたのか、闇の中なのである。

□りそな銀行国有化の金融危機対応会議議事録公開へ
 4年前といえば、日本の金融危機をめぐっておきた大事件について、ようやく金融庁のホームページで議事録が公開され、5月18日に公表された。それは、りそな銀行に対して2兆円を越す税金を投入して実質国有化に踏み切った金融危機対応会議の議事録であった。
 日付は平成15年5月17日(土曜日)18:30〜19:00間での30分間という短い時間の会合であったが、日本の銀行は、それまで「都市銀行は一行たりとも潰さない」という約束を守ることができず、拓銀に始まり長銀、日債銀と続いた破たん処理を進めたにもかかわらず、依然として銀行の不良債権が累積し、過小資本に陥る中で、りそな銀行について潰さないという決意を示したものと受け止められ、この決定以降日本の株価は、銀行株を中心にして上昇し始めることになったという意味でも歴史的な決定であった。議事録を読んでみても、あらかじめ筋書きがかかれてそのとおりに進んだことがうかがい知ることができるのだが、日銀総裁の発言の中で、「先ほど、財務大臣及び金融庁長官より、日本銀行法38条に基づく特融発動の要請を頂戴いたしましたけれども、・・・」とあるのだが、財務大臣や金融庁長官の議事録にはそのことに直接触れた文言はないのだ。同時に決定された諮問内容や内閣総理大臣の談話のどこを見ても日銀特融の話は出てこないのだ。いったいどこでどんな話がなされていたのだろうか。まことに不可思議な中味ではある。とにかく相当あわてていたと思われ、当日になって会議の規定が提起され、決定していることや、財務大臣が外遊しているさなか臨時大臣の出席となっているのだ。まことに不可解なものであり、国会の中で質していきたい。




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5月14日(月)
 
 
□戦後レジーム改革が安倍政権の参議院選挙争点に
 連休も終わって、いよいよ国会のほうもあわただしくなってきた。いずれも参議院選挙をにらんだ展開となっており、与野党の選挙の本番を前にした、静かなる熱い戦いに既に突入しているのだ。
 まず、憲法改正の手続きを定めた国民投票法案が、参議院の憲法調査特別委員会で自民、公明両党の賛成多数で可決された。14日の参議院本会議で可決され、いよいよ憲法改正の手続法は成立することとなったのである。おそらく安倍首相は、参議院選挙の争点として戦後体制のレジーム転換を打ち出し、その中心的な課題として憲法改正を取り上げることは確実であり、改正の中心に、第9条の集団的自衛権を行使できる日本軍隊を確立するべく準備に入っている。祖父である岸信介元総理が、すすめようとして果たせなかった道を今実現させようとしているのだ。もちろんその道は、国民が求めている道ではなく、そのことを問うて憲法改正が国民投票にかけられたとしても、国民の反対が過半数を上回れば成立することはできないし、その前に国会の両院での3分の2という高いハードルをクリアーできる展望は、まず開けないのだ。

□社会保険庁解体を第二の国鉄分割民営化にしてはならない
 今後続々と重要法案が、目白おしに参議院に押し寄せてくる。イラク特措法の延長法案も、今週には衆議院を通過する予定となっているし、衆議院では年金機構法案が、いよいよ審議に入った。年金機構法案は、社会保険庁を解体し、かつての国鉄を分割民営化したときと同様、第三者機関を設けてどんな仕事を、どれだけの人数で実施するのか、その際これまで社会保険庁で働いていた者のうち誰が採用されるのか、決定していくものとされている。場合によっては分限解雇されるものが出かねないといわれ、問題の焦点に社会保険庁に関する不祥事を取り上げ、すべて自治労の労働組合員が問題を引き起こしたのだ、といわんばかりの悪質な攻撃を用意してきているのだ。
 もちろん、年金の空洞化の原因や、大規模保養基地建設による大幅な赤字の責任が、政府与党や高級官僚にあることは言うまでもない。にもかかわらずそれらを、民主党の支持勢力である社会保険庁の労働組合員に押し付けようとしていることへの明確な反論が必要になっているのだ。市場化テストによって、年金保険料の徴収費用が民間に任せたほうが安くついた、という報告があるのだが、問題はどのような中味の民間業者のしごとであったのか、それが本当に全国で民間に任せたならば、うまく効率的に進められるという保障があるものなのか、しっかりと調べる必要がある。

□民主党も税制改革を選挙の争点にすべきだ
 このような自民党・公明党の側のなりふりかまわないネガティブキャンペーンが、激しく展開されることが予想される一方で、自民党内では菅総務大臣の周辺から「ふるさと納税制度」という地方住民税の一部を自分の今住んでいる自治体ではなく、ふるさとの自治体に収めることができるようにする制度の設立を提唱している。この案に、安倍総理も中川幹事長も、さらにまた、事もあろうに政府税制調査会の香西会長もそれについて支持をし、検討していきたいと述べているようだ。
 このような案は、すでに民主党がかつて総選挙でのマニフェストに打ち出してきており、目新しいものではない。問題は何故このような税制案を打ち出してきているのか、という点であるが、東京と地方との格差の拡大が誰の目にも大きな問題として露呈してきたことから、本来の国と地方の税財源のあり方の見直しに切り込むことができなかったため、地方住民税の中だけのやりくりに、有権者の参加によって進めようとする、選挙目当ての安直なものでしかない。
 総じて菅総務大臣は、消費税についても地方消費税を増やすべきだ、という発言を打ち出しており、税制論議を前向きに選挙の前に提起している。民主党も税制改革をもっと正面にすえて、国民に自民党・公明党が選挙後に消費税を中心にした理念なき大増税をしようとしていることを訴え、堂々と税制改革論争を正面から戦わしていく必要があるのではないかと思う。所得税では所得控除から税額控除(控除しきれない低所得者には還付制度を取り入れる)に転換したり、消費税の益税の解消や逆進性対策としての基礎的消費にかかる分の還付制度の導入や地球温暖化に向けた環境税の導入など、しっかりと打ち出していくべきだと思う。 





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5月7日(月)
 
 
□天下分け目の戦い、参議院選挙
 5月のゴールデンウィークも終わり、いよいよ国政の焦点は、7月22日の参議院選挙に向けての与野党の激しい戦いに移ってくる。国会では参議院での憲法改正の手続法である国民投票法案の審議が進められており、与党側は当初安倍総理の5月3日憲法記念日までに法案を成立させる、との意向を受けて、衆議院での与野党の慎重な審議が進められていたものが、急遽強行採決をするという暴挙によって、一挙に政局をめぐる問題になり、参議院での慎重審議を求める民主党など野党の主張によって全国9ブロックでの地方公聴会の設定や、参議院では初めての審議となる中、時間をかけて最低投票率や公務員の投票活動に対する罰則の問題など審議が行われている。それとても、5月中旬には採決に持ち込みたいとの意向が伝わりつつあり、予断を許さなくなっているのだ。
 衆議院段階では、教育基本法に関連した三法案が提出され、民主党も対案を出して論戦を開始しつつある。こちらのほうも参議院まで持ち込むとすれば、審議時間の関係で5月末までには送られてくる必要があり、ここでもまた強行採決という暴挙に出てくることもありうるのだ。安倍内閣の支持率が、ここの所やや持ち直しの傾向が見えてきている原因が、憲法や教育など国家主義的な傾向を強く打ち出すことにある、と見ているのか、ますますタカ派ぶりを発揮してくると見なければなるまい。それが証拠に、憲法9条の集団的自衛権についての解釈の見直しに向けて、集団的自衛権を認める専門家と称する人たちを集めて懇談会を開催しており、今後ともこのような傾向は強まりすることはありえても、弱まることはないと見てよいだろう。

□社会保障と税制改革をマニフェストに
 これに対してわれわれ民主党は、戦略的には「格差問題」を前面に出して論戦を交えてきたし、統一自治体選挙や参議院補欠選挙でも「格差問題」を前面に出して国民に訴えてきた。ここで参議院選挙の争点として民主党はマニフェストの中にどのような主張を盛り込むべきなのか、先の選挙の総括をしっかりと進める必要がある。「格差」という問題はそれ自体がやや抽象的なのであり、国民の生活の中で政治に対して感じている一番の問題は何か、ということに焦点を当てていく必要がある。国民の意識調査を見るとやはり年金を中心にした社会保障問題であり、それらの負担のあり方、すなわち税制改革や社会保険料のあり方について一番の関心事項となっているのだ。オーソドックスかつ愚直に年金・医療・介護と税制改革について前面に打ち出し、国民生活の将来不安を財政的にも解消できることが必要だし、そのことによって格差問題の解決にも役立てることができるのだ。まさに政治とは生活なのであり、政権交代をしてその実現を図っていく以外にないことを打ち出していくべきときではないか、と思うのだがどうであろうか。

□持続可能な地球環境と日本の構造改革の推進を
 今国民の中には小泉内閣のもとでの「構造改革」という名の小さな政府路線、市場に任せればすべてうまくいくという神話に対して、このまま進めていけば日本社会はアメリカのように貧富の格差は拡大し、社会の治安は悪化し、人々の間にあった連帯意識が希薄となり、金さえあればなんでもできるといった拝金主義が蔓延するのではないか、と心配し始めている。また、地球温暖化が進展し始め、このまま行けば地球自体が持続可能なものとならなくなってくるのではないか、という危惧の念を持ち始めてきているのだ。21世紀の日本社会は、グローバル化とITを中心にした情報化の更なる進展のもと、足元の少子・高齢社会をどのようにしていくのか、今まさに問われているのだと思う。選挙のマニフェストにしていくためには、数値目標や年次目標を加えた上で、国民に訴える力を持ったスローガン化したものにしていく必要があるのだが、少なくとも持続可能な世界と日本にしていくことが今こそ求められているときはないのではなかろうか。
 今年もまた先輩の方たちの訃報に多く接する。4月29日、山崎昇元参議院議員が逝去された。享年86歳であった。いつも「峰さん、大変だね。健康に留意してがんばってな」という励ましの言葉を多くかけてもらった。いぶし銀のような存在で「公務員問題の専門家」というのが参議院議員としての任務と自覚された方であった。自治労運動の大先輩でもあった。心よりご冥福を祈りたい。合掌。




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