2007年4月のニュースレター:[以前のニュースレター]
4月29日(日)
■小川勝也選対の本部長に就任 ゴールデンウィークに突入した。今年の連休は、前半の3連休と後半の4連休が分断されているものの、景気の回復もあってか海外に旅行する人たちも多いという。われわれは統一自治体選挙・参議院補欠選挙の疲れを取るとともに、7月参議院選挙に向けて始動し始めており、4月27日には北海道の合同選挙対策本部と小川勝也選挙対策本部の設立総会も開催され、不肖小生が小川選対の本部長に就任することとなった。小川参議は未だ43歳という若さであるが、すでに参議院議員2期12年の実績を積んだ経験豊富で政治感覚豊かな青年政治家であり、とくに若い方たちからの信頼も厚く明日の参議院を背負って立つ前途有望な政治家であり、どうしても当選してもらわなければならない。全力でがんばりたい。 ゴールデンウィークといえば、この時期に外遊する政治家は多い。振り返ってみれば、1995年の超円高が日本を襲った際、与党の一員として訪米しグリーンスパンFRB議長やルービン財務長官、サマーズ財務副長官といった錚々たる政府高官と面談する機会があり、翌年96年には社民党の代表として、ゴア副大統領やペリー国防長官などと面談したことを覚えている。当時は与党の一員であり日本の国益を担っての訪米であったが、よく全体情勢が理解できない中での訪米であり、末席を汚した程度であった。あれから10年以上を経過しており、一刻も早く再び与党の立場に立って国際的な舞台でも行動したいものである。
■アメリカには素直に謝罪するのだが、何故アジアには 安倍総理は就任後始めてアメリカを訪問した。歴代総理はたいてい外遊にあたっては訪米からスタートするのだが、中曽根総理に続いて安倍総理は中国、韓国を最初に訪問し前任の小泉総理のもたらした不の遺産を払拭すべく動いたことが、結果として国民の高い支持を得ることになったのだが、その後の復党問題などでは支持率を大きく落としたことによって、憲法改正や教育改革など国民生活にとっては不可欠とは思えない課題をとりあげ、国家主義を前面に出しながら正面突破を図ろうとしている。そのことは、参議院選挙の結果として国民の賢明な判断が下されるわけで、安倍首相の信認にも響いてくることは避けられない。すべては参議院選挙の結果如何にかかってきている。それにしても、ワシントンに降り立って最初に訪問したのが議会の代表者であったというのも首を傾げざるを得ない。というのも、従軍慰安婦問題が下院の本会議で決議されるのでは、という情報が舞い込んできており、アメリカから文句を言われれば、素直に耳を傾けて謝罪をするという姿勢には、正直言って本当に保守主義者、ナショナリストなのか、と疑わざるを得ないのだ。
■労働組合運動の活性化も問われている 5月のゴールデンウィークといえば、いつも話題になるのがメーデーである。シカゴの労働者が8時間労働制を求めて行動を起こしたことから弾圧をされたことを記念して5月1日がメーデーとして国際的に祝われるようになったのだが、最近では、中央メーデーはいつも5月連休の最初に持ってきて、連休が有効に活用できるように配慮されている。今年も4月28日に開催され、格差問題を前面に出したメーデーとなっているものの、なにぶんにも賃上げが定期昇給抜きで1000円前後ときわめて低く、意気が余りあがらない春闘になっているだけに、スローガンがむなしく響いているように思えたのだが厳しすぎる評価であろうか。
■すべての戦いを参議院選挙に集中しよう 連休が終われば、いよいよ参議院選挙にすべてのエネルギーが集約される。国会のほうも重要法案が参議院に送られて審議未了になれば廃案になってしまうため、与党側はその精査に追われる。何を通すべきなのか、秋の臨時国会に送るべきなのか判断が求められる。野党としては、参議院選挙をにらんで国民生活にとって一番重要な争点を明確にして戦いを挑んでいく以外にない。やはり生活に直結した問題であり、年金が一番の国民の関心事項であることに変わりはない。さらに、税金や社会保障の財源など参議院選挙の争点として国民の関心の高い問題を真剣に取り上げ、マニフェストに記載をして国民との約束にすべきときである。国民の側も政治家を厳しく吟味し、選挙に際して投票を通じてその適否を明確にしてもらいたいものである。与野党逆転こそ一番の構造改革なのだ。
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4月23日(月)
□残念であった沖縄の参議院補欠選挙 統一自治体選挙が終わった。と同時に闘われた沖縄と福島の参議院補欠選挙も終わり、福島は民主党が勝利したものの残念ながら沖縄は野党統一候補が敗れ、1勝1敗となってしまった。もともと両方の議席は民主党や野党の議席であっただけに沖縄の議席を失ったことは大きい。3ヵ月後に迫った参議院選挙の結果、与野党が逆転できるかどうか1議席でも確保しなければならないだけに是非とも勝ちたかった。 民主党としても、沖縄に対する戦力投入は大変な物で、小沢代表をはじめ菅代表代行や鳩山幹事長など幹部はもちろん、国会議員の大量動員もかけたのだが結果は僅差で敗北した。小生も先週は17日には福島へ20〜21日には沖縄に出かけ選挙応援を行ったのだが、残念であった。沖縄での選挙戦では応援の選挙カーの数が余り制限されておらず、本土から持ち込んだ選挙カーが縦横無尽に走り回るというなかなか面白い選挙戦になっている。久方ぶりにマイクを持って一日中スポット演説も20回近くこなしたのだが、25度を越す猛暑のなか、札幌に帰ったときには日本列島の南北の長さにあらためて感心した次第であった。
□市町村議会議員での民主党の前進 統一自治体選挙のたたかいについてはなかなか評価が難しいのだか、民主党の市町村議会議員選挙での躍進が進んだといえるのではないか。前半戦の都道府県議会議員と政令指定都市の市議会議員選挙の前進と並んで評価されてしかるべきであろう。二大政党制に近い国会での議席に対応した地方議会に近づきつつあるのかもしれない。分権化の進展が必要とされる今日、地方議会における優秀な人材が求められているわけで、首長だけでなく議員の資質の向上も不可欠である。 それにしても、長崎市長選挙の結果には考えさせられることが多い。もちろん、今回のようなテロ事件が起きることに対して毅然とした対応が必要なことは言うまでもないし、民主主義が暴力でもって圧殺されてはならない。伊藤市長の娘婿さんが立候補し同情票も含めて圧勝するかと思いきや、市役所の課長さんが出てきて僅差で勝利したことは日本的な情による判断ではない結果に何故なんだろうか、という思いが消えない。無効となった期日前投票の扱いを含めて、選挙制度の不備も露呈したことも今後検討すべき問題点であろう。 全国から注目された夕張市長選挙であったが、結果は夕張出身の札幌の経済人が当選された。なんと次点に道外の、各種選挙ではよく名前の出てくる方が僅差で続いており、夕張市民の方たちの判断がどの辺にあったのか、よく検討してみる必要がありそうである。事実上国の管理に移された夕張市にどのような自治の基盤が残されているのか、どのような市政が可能なのか、よく見えない中での新市長誕生であり、今後の市政運営に注目したい。 道内の市長選挙ではなかなか激戦であった所と無投票のところが好対称であった。稚内、滝川、室蘭などでは本当に僅差で現職が勝ったものの、各党の推薦とは関係なく無党派層の流れが大きく左右した物と考えられる。函館のように現職が助役をやめて対立候補として挑戦され、敗れるという波乱の選挙となったことも、”何故なのか”、”何が起きていたのか”知りたいものである。
□参議院選挙での与野党逆転の基礎は築かれた それでは今回の統一自治体選挙と2つの参議院補欠選挙を経て、7月の参議院選挙の展望をしてみたい。知事選挙での現職の強さと議員の民主党の前進ということが大きな特徴として捉えることができる。そのことは、民主党の存在感がますます拡大していることを示しているのだと考えられる。政党としての存在感は、かつては党員数や機関紙発行部数などで図られてきたのだが、今では無党派層が拡大し固い支持基盤を持つ政治勢力は公明党を除いてなくなりつつある。それだけに、政党所属の各級議員の果たす役割が、いっそう大きく物を言う時代になりつつあるのではなかろうか。それだけに政党のマネージメント能力のあり方、とりわけメディア戦略の巧拙が重要になりつつあると思うのだが、どうであろう。もちろん、政策と人材の良し悪しはその大前提なのだが。いろいろと考えてみても今回の統一自治体選挙で民主党の存在感は確実に強まっているのであり、参議院選挙での与野党逆転に向けて大きな基礎を築いたといえよう。まさに千載一遇のチャンスなのであり、がんばりたい。
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4月16日(月)
□禍根を残した憲法調査会での強行採決 桜前線が北上しているのだろうが、北海道はなかなか暖かくならない。先週末も、雨ならぬ雪が降ってきて、ぶるぶると震え上がる始末であった。早く暖かくなってもらいたい今日この頃である。 さて、先週末の金曜日、憲法改正に向けた準備に入るべく国民投票法案が衆議院を通過した。その前段の憲法調査会では与野党の真摯な審議が繰り広げられ、まさか強行採決に持っていくとは信じられないなかでの暴挙が繰り広げられ、理事を務めていた民主党の枝野議員は強行採決に抗議して理事を辞任する事態となったのだが、結局数の力で持って押し切ってしまい、自民、公明の賛成多数で持って衆議院を力ずくで通してしまったのである。今後、憲法改正の発議がなされようとしても、野党第一党の民主党が賛成しなければ衆参両院で3分の2以上の賛成が得られないわけで、その信頼関係がなければ憲法改正が不可能であることは自明のことであり、何故そんなに急いで強行採決にいたったのか、理解に苦しむ。もちろん、安倍首相の、何が何でも5月3日の憲法記念日までには通してもらいたい、という強い要望があったことによる強行採決であり、結局政治的な決着が図られたということなのである。禍根を残したといえよう。
□参議院でこそ慎重に審議をするべきだ 内容的には、衆議院段階でかなり進展をしてきており、残された問題は国民投票が憲法改正だけでなく、憲法改正に匹敵するような重大な問題でも可能になるよう求めたのが民主党であり、また、改正に対して公務員の政治活動が認められるべきだ、というのも野党側の主張であったが、結果的には与党側の強行採決で葬り去られてしまったのである。今後は舞台が参議院に移ってくる。衆議院は憲法調査会で週1回の割合で慎重かつ丁寧に審議されてきたのであるが、与党側は参議院では毎日でも審議をしていくべきだと主張してくることが予想される。まだこの問題を一回も審議したことのない参議院でこそ、慎重に丁寧に審議をしていかなければならないことは言うまでもない。5月3日までには、などという拙速な政治的対応を許してはならないのだ。
□統一自治体選挙の統一性を回復すべきでは 統一自治体選挙の後半戦が始まり、全国の市長、市議会議員選挙と東京の区長、区議会議員選挙からスタートを切った。今回の選挙は市町村合併によって総体として数が減少する中、民主党は前回よりも候補者数を多く立てており、前半戦の勢いを後半戦でも持続させていく必要がある。北海道で一番注目されているのが赤字債権団体になった夕張市で、7人の候補者が立候補すると言う乱立ぶりである。赤字債権団体になった市長になって何ができるのか、何をしようとしておられるのか理解しかねるのだが、市民生活のさらなる向上に向けて、是非とも論戦を戦わせてもらいたいものだ。北海道には第2第3の赤字債権団体の候補になりそうな自治体が多くあり、北海道ですらその可能性がうわさされているのが実態である。ここまでひどくなるまで放置してきた責任は誰にあるのだろうか。いったい全体、地方自治とは何なのだろうか、と思うのは小生だけではなかろう。それにしても、統一自治体選挙とは名ばかりで、ばらばらに選挙が行われていることの統一への復帰を真剣に考えるべきときではないだろうか。
□好感が持たれた温家宝首相の国会演説 先週の木曜日、中国の温家宝首相が来日され、国会で演説が行われた。国会での演説はめったに行われるものではなく、今回は中国側からの強い働きかけがあったといわれ、それだけに何を発言されるのか注目された。歴史認識については、問題は行動であるとされ、靖国問題などの動きをけん制されたものの、それ以上の突っ込みはなく、日本がこれまで第二次世界大戦で中国や韓国などに対して真摯に反省してきたことを認められ、中国の経済発展に対して多くの援助があったことへの感謝も述べられており、全体として好感の持てる内容であったといえよう。温首相もよほどこの演説がどのように評価されたのが気になったようで、中国でもテレビ放映された演説内容について、母親の評価を電話で真っ先に聞かれた、というエピソードを祝賀会で披瀝されていたのが印象的であった。なかなか温厚そうで手堅い首相だな、というのが小生の感じた印象であった。
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4月10日(火)
□知事選挙の敗北をきちんと総括していくべきだ 統一自治体選挙の前半の戦いが終わった。北海道知事選挙の結果は残念ながら民主党が推薦した荒井聡候補の得票は、善戦むなしく現職知事に及ばず敗北した。敗因はやはり現職知事の知名度において劣勢に立ったことがあげられよう。二期目のしかも女性知事は今まで負けたことがない、というジンクスを打ち破ることはできなかったのだ。もちろん、それだけでなく今回の選挙戦での敗因を率直に総括していく必要があろう。組織の中核としての三軸である民主党・労働組合・農民連盟が、うまく結束できた戦いが展開できたのかどうか、今回新党大地との連携を図ったのだが、はたしてそれが功を奏したのかどうか、きちんと得票の分析もしておく必要があろう。一方、札幌市長選挙では現職の上田文雄さんが勝利することができた。今までの古い市役所の体質を一掃するべく、改革に直進してもらいたい。さらに、道議会議員選挙での前進、とりわけ30歳前後の若い議員の躍動が今後期待される。また、札幌市議会議員にもそのことがいえよう。
□求めたい、党首の存在感の発揮を 全国的にも注目された東京、福岡の知事選挙でも民主党の推薦した候補者が敗北しており、参議院選挙の前哨戦としての沖縄、福島の参議院補欠選挙の行方にも大きく影響してくることが予想される。後半戦の統一自治体選挙の戦いとあいまって再び全力をあげていかなければならない。とくに2つの補欠選挙は7月の参議院選挙にも影響してくるし、何よりも今まで民主党や野党の議席であっただけに取りこぼしは許されないのだ。小沢代表は今回の選挙では殆ど前面に出ることなく参議院選挙に集中しているとの事。党首討論についても半年以上開催されておらず、与野党の対立がぼやけてしまう。やはり国会での党首討論は積極的に出て国民にアッピールしてもらいたい。 この選挙戦での小生の行動であるが、今回はいつもの年よりも行動半径が拡大し、あるときには、前の晩は稚内市で夜6時半の個人演説会を終え、次の日の朝には函館市内に出向きつつ、その日の夜7時からの長万部町での個人演説会を終え、そのまま旭川市まで直行するという行程をこなし、翌日は旭川の個人演説会を夜7時半まで2箇所こなして札幌に戻るなど、都合3日間での走行距離は確実に2,000kmを越すというもので、体力的にはなかなかの強行日程であった。この時期は、春とはいえまだまだ肌寒く雪が降ることも多いわけで、一番季節的にはやりにくい選挙戦となる。知事候補の荒井聡さんにとって、これまでは札幌市内の豊平区、白石区、清田区という狭い区内での戦いしか経験されておらず、北海道がこれほどまで広いものかと痛感されたのではないかと想像する。体力的にも大変なことでゆっくりと静養されるよう求めたい。稚内での個人演説会では荒井さんの長男の荒井豊さんと一緒であったが、お父さんに代わっての訴えの内容はなかなか情感あふれるもので、多くの聴衆の感動を誘っていたのが印象的であった。すばらしい家族であることが良く理解できる。
□自由にすべきマニフェスト配布枚数 考えてみれば、北海道知事選挙の戦いは日程的には17日間で参議院選挙と同じ日程である。ただ、小生の一回目の戦いであった1992年の時には中尾則幸さんと地域を二分しての戦いであったわけで、それだけ行動日程には余裕があったのだが、全道1区を選挙区とする者には、17日間ではすべての地域に出向くことは不可能であり、今回の荒井聡さんの行動日程は、道北地域が外されたり、最終盤には札幌優先の戦術が取られるなど、該当する地域としてはなかなか厳しいものになったことは否定できない。願わくば、できるだけ全ての地域に足を運んでいくことこそ優先されるべきであろう。他方で、道議会議員選挙で単独の市であれば、9日間はあまりにも長すぎて間延びしてしまうところも在るやに聞いている。なかなか画一的には行かないのだが、いたし方がない面はあろう。それよりも今後改善したいのはマニフェストの頒布部数の拡大が必要であるということだろう。また、戸別訪問の解禁を強く求めたい。マニフェストは、今回から自治体の首長選挙で解禁され、一定の公費が支出されるまでにいたったことは前進なのだが、人口に応じてきちんと配分されるよう改善すべきである。多少の傾斜配分だけではだめなのであり、有権者の権利に十分対応していく必要があるのだ。それにしてもマニフェスト選挙の広がりは、率直に評価していいのだが、戸別訪問の解禁とセットで進められれば効果がもっと上がるに違いない。民主主義が成熟しつつあるのだ。
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4月2日(月)
□「小さな政府」は「弱者」を直撃 新年度に入ると予算関連で国民負担が増えてくる。すでに2004年に決められている年金掛け金の引き上げが実施される。また、先の話なのだが6月から住民税が大きく引き上げられる。もっともこの引き上げは所得税からの振り代わりなのだが、多くの国民は6月になってはじめて気がつくことになる。国民年金の保険料は月額13,660円から14,100円へと引き上げられるのだが、支給額のほうは据え置かれたままである。年金に関しては、いよいよ離婚に伴う夫婦の分割ができるようになる。熟年離婚がこのことによって加速されることも考えられるし、逆に夫婦間の生活スタイルが変化していくことも予測される。かつてのように、夫が勤め妻は専業主婦で子供2人、といういわゆる「標準世帯」が、もはや標準ではなくなってきつつあるのだ。若いカップルが、一緒になって子育てや仕事を分担し合う必要がある。また、生活保護を受給している世帯のうち、母子加算を段階的に廃止することも決まっており、都市部にあたる1級地では児童一人当たり、23,260円から15,510円へと切り下げられる。代替措置が多少実施されるが、生活保護に対する削減の攻撃は、今後も厳しく実施される見込みである。財政削減の対象は、確実に「弱者」を直撃しているのだ。
□「春闘」はどこにいったのか それにしても、今年の春闘はどうなったのだろうか。かつては新聞の一面を飾り、多くの国民に「ベースアップ」という言葉を浸透させた功績は大きかった。未組織労働者は春闘相場をにらんで賃上げを迫ったといわれ、まさに組織労働者が労働者階級を構造的に代表していた時期があったのである。おそらく定期昇給を除けば1000円前後の賃上げでしかなく、賃上げ率は1%にも満たないのではないかと予想される。丁度日本の消費者物価指数と同じ程度であり、依然として物価はゼロ近傍にとどまったままなのだ。さまざまな統計を見て思うことは、消費者物価指数に一番連動しているのがユニットレーバーコストといわれる賃金の伸び率であり、デフレが依然として脱却できないのはこの数値が伸びないからだと思う。日銀にしても政府にしても、いざなぎ越えといわれる好景気のもと、それが設備投資から内需に転嫁するはずだ、と主張するのだが、できないでいるのが実態なのだ。
□失われた15年、失われた国民の金利収入 何故内需の拡大につながらないのだろうか。一つの要因は金利がゼロを続けてきたということにある。先日開催された参議院の財政金融委員会で、日銀総裁に同僚議員が質問したところ、低金利以前の通常の金利水準を91年から計算をすると、05年までに331兆円もの巨額な利子収入が家計部門から奪われたということにある。毎年20兆円以上もの内需が失われたことになるわけで、GDPに占める割合では4%である。もし、消費税に換算すれば8%にも達する。一刻も早く金利を正常化する必要があることを教えてくれる。この331兆円もの失われた利子収入は、どこへ言ったのだろうか。その分、企業部門の支払利息を低下させたこととともに、政府部門が抱える巨額の借金の利払いを低く抑えてきたことは間違いないのだ。多くの、なけなしの利息収入に期待していた高齢者世帯を直撃している。このような低金利の持続のもと、消費者物価は上昇しないのに資産価格は急騰し始めている。土地価格が東京や名古屋・大阪などの大都市部で上昇を示し始め、バブル崩壊以降はじめて地価が全国平均ではプラスに転化したという。危険な信号と受け止める必要がある。 もう一つの理由は、先ほども述べた人件費の伸びが落ち込んでいることである。人件費の伸びを抑える方法として現職の賃金水準の削減ということもなされただろうが、多くはパートや派遣・請負といった不安定雇用労働者への置き換えや、徹底的な人員削減を進めてきたことは間違いない。今では多くの若い労働者は一人だけの収入では結婚もできないか、できても共稼ぎで子供を生み育てられなくなっている。かつての高度成長時代には、最初は共稼ぎでも、やがて賃金が上昇し専業主婦となり子育てやマイホームも可能だったのだ。それが崩壊し始めたのであり、まさに「中流の崩壊」なのだ。どう日本社会を建て直していけるのか、問われている。
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