2月13日(火)
□予算委員会の論戦に注目して欲しい さて、国会のほうは衆議院での予算委員会が、先週の金曜日から始まった。13日には菅、岡田、前原と3人の代表経験者が質問に立つことになっており、いずれも党内きっての論客であり迫力ある論戦に期待したい。とりわけ格差問題に焦点を当てて、小泉改革なるものが何をもたらしたのか、安倍内閣はどのように国民生活を改善させようとしているのか、是非とも集中的に議論をしていく必要がある。 安倍総理は、憲法改正問題や教育改革などに争点を持ち込もうとしているのだが、国民にとってはやはり年金、医療、介護、税制と言った生活に直結する問題こそ、与野党がどんな政策を打ち出すのか注目しているのだ。4月には統一自治体選挙もあり、身近なテーマこそが問われる必要があることは言うまでもない。
□争点化する能力こそ政権交代に必要なのだ その点で、最近読んだ小島祥一帝京大学教授の書かれた『なぜ日本の政治経済は混迷するのか』(岩波書店)のなかで、歴代自民党政権によって、これまで争点はずしが巧妙に行われ、それに野党である民主党が引きずられてしまったことが政権交代にまで結びつかない一つの要因になっていると指摘され、いかにして有権者の求めている課題にきちんと争点化しうるのかが選挙で勝利するポイントだと痛感させられた。それだけに、今回の参議院選挙は絶好のチャンスなのであり、民主党側から争点を提示していくべきだと思う。先に述べたように、格差問題は絶好のテーマであり、社会保障や税制、さらには地方の疲弊など国民生活に焦点を当てていく必要がある。参議院の場でもしっかりとした論戦を準備していきたい。
□円安問題の背後に潜む危機 さて、国際社会の問題についても少しく触れてみたい。一つはG7の財務大臣・中央銀行総裁会議が9~11までドイツのエッセンで開催された。日本にとって一番の問題は円安の問題に焦点が当てられることにあったのだが、最終日の声明では「円安是正」は触れることなく終わった。円とドルについても円安なのだが、円とユーロについては1ユーロが150円台に張り付いており、かつて1ユーロ100円前後のころに比べれば50%近くの円安になっておりドル以上に問題視されてきた。自動車や電気製品などの競争でEU側は不利な立場になっていることから、円安是正を求めたもののアメリカも含めた円安是正にまではいたらなかった。その背景には、日本の低金利によってアメリカの財政赤字や経常赤字がファイナンスされており、アメリカにとっては日本よりも中国との貿易摩擦のほうが深刻な問題だからだろう。世界的に経済がアメリカの減速や中国の建設バブルなどリスク要因はあるものの、順調に伸びていることもあり、G7の場でのとげとげしいやり取りがなかったのだろうが、一皮向けば世界中に安い円で調達しそれをドルやユーロなどで投資や投機をする円キャリ―トレードが拡大し続け、声明の中で「ヘッジファンドなどへの警戒が必要」と言う文言が入っている。
□異常な低金利の回復こそ急務 日銀にとっては、日本の異常な低金利政策が円安だけでなくこのような世界金融市場のリスク要因を作っていると言う自覚を強く持つ必要があるのだ。また、財務大臣にとっても、いつまでも低金利を継続しつつ日銀が毎月1,2~1,5兆円もの長期国債の買いきりオペを続けさせられるのか、財政改革の青写真を示す必要があるのだ。さらにいえば、現在、国民があまりに銀行の低金利を嫌って海外にシフトした投資信託や各種ファンドに投資し始めているのだが(もっともまだ国民の金融資産1500兆円のうちせいぜい数十兆円程度なのだが)、円安から円高に触れたときの反動や、更なる円安の進行によって「円を見捨てる日本の国民」の動きに拍車がかかるリスクにどれだけヘッジ出来ているのだろうか。まことに心配ではある。 それにしても北京で行われている6カ国協議での動きを報道で見る限り、何だこれではクリントン時代に戻っただけではないのか、と言いたくなる。北朝鮮の外交交渉が事実上勝利したと言っても良い。アメリカはイラク戦争の泥沼の中から、アジアにおける覇権国としてのパワーを失いつつあるのだと思う。
|
|
|