2007年2月のニュースレター:[以前のニュースレター]
 
 
2月26日(月)
 
 
□都知事選挙の候補者選びに全力を
 統一自治体選挙を控え、各地で候補者の擁立作業や事務所開き、決起集会が頻繁に開催されつつある。そうした中で、最大の焦点になりつつあるのが東京都知事選である。石原慎太郎氏の三選を誰が阻んでいくのか、民主党としての候補者選びが最終版を迎えている。いろいろと総合するに、前宮城県知事浅野史郎氏か、党内では菅直人代表代行の二人に絞られつつあるように思える。浅野氏は「バレンタインチョコは一つではだめだが・・・」などと発言され、それまでは厳しいと思われていたことから少し展望が開けつつあり、民主党としても一番ふさわしい候補者なのだろう。もし浅野氏が最終的に辞退すれば、菅さんが受ける以外に勝利の方程式は成り立たない。ここは「人生ただ一回」をモットーとする菅さんしかないと思うのだが、どうだろう。決意を促したい。
 さて、先週の金曜日には、道議会選挙の日高管内で立候補する馬場おさむさんの応援に新日高町に出向いた。全道庁時代によく学習会などで一緒に議論をした仲間であり、52歳で道庁をやめての挑戦である。定員2名で現職が2名という中に割り込んでの戦いとなるだけに、なかなか厳しい戦いになることは間違いない。後1ヵ月半、全力で戦ってもらいたいし、応援にも駆けつけたい。
 翌日は、小生の秘書をしてくれた石本亮三君が、埼玉県の所沢市で市議会議員に挑戦することとなり、その事務所開きに参加した。札幌を9時の飛行機で飛び立とうとしたところ、あいにくの降雪で飛行機の翼に雪が積もり、改めて除雪をしなおす中で1時間30分も遅れて出発したため、到着がぎりぎりになってしまったものの、何とか間に合うことができた。本来なら3年前の大量の選挙違反が露呈し、補欠選挙が行われた際に出馬する絶好のチャンスであったのだが、当時は小生の選挙のため札幌に住居を移していたため出馬できなかったこともあり、なんとしても当選して欲しいと訴えさせていただいた。会場はたくさんの市民の方たちで超満員になり、まずまずのスタートを切ることができたのは、何よりも本人やお母さんの活動の賜物であり、選挙戦最後まで力いっぱい戦い抜いてもらいたい、と祈らずにいられなかった。当日同級生の河井征治さんが、わざわざ町田市から応援に駆けつけてくれたのには驚いた。本当に仲間の皆さんの総合力も地域の選挙では大きな力になるのだと思う。

□マニフェスト選挙が解禁へ、知事選挙のマニフェストを
 さて、肝心の北海道知事選挙であるが、荒井聡さんの活動がようやく全道的に広がり始めてきた。地域おこしの方たちとの会合なども取り組みが開始され、各界各層の方たちにも取り組みが強化されつつある。日曜日には福祉フォーラムも開催され、都知事選挙で候補に取りざたされている浅野史郎さんが講師として参加され、荒井さん、札幌市長の上田さんとがっちりとスクラムを組んだ取り組みが実施されている。今回の選挙からマニフェストが地方自治体選挙でも解禁されることになった。残念ながら民主党北海道ではマニフェストまでは作りきれず、政策大綱としてしかまとめ切れなかった。是非とも荒井聡さんの知事選挙に向けたマニフェストを作り上げ、政策大綱の中から、荒井さんなりにアレンジしたマニフェストを、道民に強く訴えてもらいたいものだ。2003年総選挙で、民主党役員室長としてマニフェスト選挙を展開したのは荒井聡さんその人なのだから。

□日興コーディアル粉飾決算は日本版エンロン事件
 先週の木曜日、参議院財政金融委員会で集中審議を2時間開催し、約80分日興コーディアルグループの粉飾決算問題について質問を行った。昨年2月に質問して以来、ようやく12月18日に金融庁が5億円の課徴金の支払いを命ずるなど証券市場をめぐる大きなスキャンダルになっている。会計監査を担当した旧中央青山監査法人(現在のみすす監査法人)の責任も、厳しく問われるべきは当然のことであろう。また、日興コーディアルグループの中に設置された調査特別委員会の報告書も、お手盛りではなく厳しく問題をえぐり当時の有村社長や経営側の責任を認めたものになっている。時間の関係で十分な問題指摘はできなかったが、2月28日に出される、あずさ監査法人の訂正報告書をしっかり分析することも含めて今後は財政金融委員会だけではなく、予算委員会の場でもしっかりと追及していきたい。事態はアメリカのエンロン事件に酷似してきており、監査法人が消滅しつつあり、日興コーディアルも吸収合併されるのではないかと見られているし、経営責任者の刑事告発も射程に入りつつあるのだ。企業倫理が厳しく問われている。
line
2月19日(月)
 
 
□地球環境問題に不熱心な日本政府
 2月も中旬まで差し掛かってきたのだが、いまだに東京は雪が降らない。東京は、このままで行けば史上初めて降雪のない冬になるのだが、あと1ヶ月の間に一度くらいは降りそうな予感もする。なんともはや、暖冬であることには変わりない。
 地球温暖化問題について、何号か前のこのニュースレターでも触れたのだが、そのときゴア下副大統領が出演する「不都合な真実」を、是非国民全員に見てもらいたいと訴えた。どうやら安倍総理大臣も先週の土曜日に御覧になったようで、京都議定書の達成に向けて努力していきたい、と言うインタビューでの答弁であった。そのための予算措置などは殆ど伸びていないのであり、アメリカですら環境問題に対して最近では大きく力を入れ始め、排出権取引の市場も早くからシカゴに設置しているし、ヨーロッパは北欧の国々を先頭にして、もちろん全力をあげた取り組みが進んでいる。日本の取り組みも一層の努力をしていかなければ、京都議定書の達成目標であるCO2排出量を1990年基準の6%マイナスは、今のままでは不可能になりつつある。まさに政府を先頭にして、企業はもちろん国民全体で力をあわせていかなければならない課題である。
 そうした中で、最近注目されているのが石油価格の高騰から、エタノールを燃料として使おうとする動きである。とくにブラジルがサトウキビを原料にしてエタノール大国として輸出攻勢をかけているし、アメリカもとうもろこしを原料として、大量のエタノール生産に力を入れ始めている。その結果、砂糖価格が高騰しているし、とうもろこしが手に入らなくなったため、飢えに苦しむ人たちが増大し始めているのである。バイオエネルギーについては有望なエネルギーとはいえ、食料として必要なものにまで原材料として拡大することには反対せざるを得ないと思うのだが、どうだろう。

□石油は依然として不安定なエネルギーだ
 エネルギー問題の課題でいえば、石油価格が一頃の1バーレル80$近くしていたものが、今では60$前後にまで低下しつつある。ただ、石油価格を取り巻く情勢は、まことにリスクが大きくなっている。というのも、一つには中東はイラクやイラン問題だけでなく、イスラエルとアラブ諸国の対立を抱えており、いつ本格的な戦争状態に陥ってもおかしくない現状にある。アメリカの航空母艦3隻が、ホルムズ海峡近くに集結し始めているといわれ、イランの核開発問題について、アメリカとの対立が火を噴くことも予想されている。さらに、南米ではベネズエラを始め反米左翼政権が樹立されるなど誠に不安定である。アフリカの産油国も同様であり、ロシアについてもプーチン政権のエネルギー国有化戦略の下、安定した石油・天然ガス供給国としては心もとない。
 そうした地政学的なリスクを抱えているだけでなく、メジャーといわれる大手石油会社が新しい石油油田開発に力を入れるよりも、株主に対する配当を拡大するほうに資源を多く配分し始めており、供給余力が極めて不安定になりつつあるのだ。油田開発は短期的な利益が出るものではなく、かなり中長期的な視点での投資が必要とされているだけに、大手企業のこうした経営戦略が、石油価格の高騰があっても直ちに供給力の拡大に結びつかないのだ。今年は世界的には暖冬の地域が多かったために、石油の消費量が少なくすんだこともあったため、価格は一時的には低下して入るものの、今後とも要注意なのだ。とりわけ、中国やインドなどの途上国が、成長率10%近い高度経済成長を持続しているため、石油に対する消費量が増え続けてきているのだ。

□安易な原子力依存拡大は禍根を残すのでは
 そうしたなかで、原子力発電に対する需要も拡大し始めている。直接的にはCO2を排出しないため、地球温暖化の切り札といわれている。日本でも原子力発電に対する依存を強めつつあるが、とくに中国での建設計画が目白押しになっている。一番の問題である廃棄物処理をどのように進めていくのか、とくに高レベルの廃棄物の最終処分地問題は、日本ではそのめどが立っていない。廃棄物の処理施設についても青森県の六ヶ所村の再処理施設がようやく稼動に入ろうとしているのだが、これとても現在日本の国内で出てくる廃棄物のすべてを処理することはできなくなっているのだ。増え続ける廃棄物と原子力発電所のトラブル隠しの頻発を見るとき、原子力への安易な依存がもたらすツケは大きいのかもしれない。




line
2月13日(火)
 
 
□予算委員会の論戦に注目して欲しい
 さて、国会のほうは衆議院での予算委員会が、先週の金曜日から始まった。13日には菅、岡田、前原と3人の代表経験者が質問に立つことになっており、いずれも党内きっての論客であり迫力ある論戦に期待したい。とりわけ格差問題に焦点を当てて、小泉改革なるものが何をもたらしたのか、安倍内閣はどのように国民生活を改善させようとしているのか、是非とも集中的に議論をしていく必要がある。
 安倍総理は、憲法改正問題や教育改革などに争点を持ち込もうとしているのだが、国民にとってはやはり年金、医療、介護、税制と言った生活に直結する問題こそ、与野党がどんな政策を打ち出すのか注目しているのだ。4月には統一自治体選挙もあり、身近なテーマこそが問われる必要があることは言うまでもない。

□争点化する能力こそ政権交代に必要なのだ
 その点で、最近読んだ小島祥一帝京大学教授の書かれた『なぜ日本の政治経済は混迷するのか』(岩波書店)のなかで、歴代自民党政権によって、これまで争点はずしが巧妙に行われ、それに野党である民主党が引きずられてしまったことが政権交代にまで結びつかない一つの要因になっていると指摘され、いかにして有権者の求めている課題にきちんと争点化しうるのかが選挙で勝利するポイントだと痛感させられた。それだけに、今回の参議院選挙は絶好のチャンスなのであり、民主党側から争点を提示していくべきだと思う。先に述べたように、格差問題は絶好のテーマであり、社会保障や税制、さらには地方の疲弊など国民生活に焦点を当てていく必要がある。参議院の場でもしっかりとした論戦を準備していきたい。

□円安問題の背後に潜む危機
 さて、国際社会の問題についても少しく触れてみたい。一つはG7の財務大臣・中央銀行総裁会議が9~11までドイツのエッセンで開催された。日本にとって一番の問題は円安の問題に焦点が当てられることにあったのだが、最終日の声明では「円安是正」は触れることなく終わった。円とドルについても円安なのだが、円とユーロについては1ユーロが150円台に張り付いており、かつて1ユーロ100円前後のころに比べれば50%近くの円安になっておりドル以上に問題視されてきた。自動車や電気製品などの競争でEU側は不利な立場になっていることから、円安是正を求めたもののアメリカも含めた円安是正にまではいたらなかった。その背景には、日本の低金利によってアメリカの財政赤字や経常赤字がファイナンスされており、アメリカにとっては日本よりも中国との貿易摩擦のほうが深刻な問題だからだろう。世界的に経済がアメリカの減速や中国の建設バブルなどリスク要因はあるものの、順調に伸びていることもあり、G7の場でのとげとげしいやり取りがなかったのだろうが、一皮向けば世界中に安い円で調達しそれをドルやユーロなどで投資や投機をする円キャリ―トレードが拡大し続け、声明の中で「ヘッジファンドなどへの警戒が必要」と言う文言が入っている。

□異常な低金利の回復こそ急務
 日銀にとっては、日本の異常な低金利政策が円安だけでなくこのような世界金融市場のリスク要因を作っていると言う自覚を強く持つ必要があるのだ。また、財務大臣にとっても、いつまでも低金利を継続しつつ日銀が毎月1,2~1,5兆円もの長期国債の買いきりオペを続けさせられるのか、財政改革の青写真を示す必要があるのだ。さらにいえば、現在、国民があまりに銀行の低金利を嫌って海外にシフトした投資信託や各種ファンドに投資し始めているのだが(もっともまだ国民の金融資産1500兆円のうちせいぜい数十兆円程度なのだが)、円安から円高に触れたときの反動や、更なる円安の進行によって「円を見捨てる日本の国民」の動きに拍車がかかるリスクにどれだけヘッジ出来ているのだろうか。まことに心配ではある。
 それにしても北京で行われている6カ国協議での動きを報道で見る限り、何だこれではクリントン時代に戻っただけではないのか、と言いたくなる。北朝鮮の外交交渉が事実上勝利したと言っても良い。アメリカはイラク戦争の泥沼の中から、アジアにおける覇権国としてのパワーを失いつつあるのだと思う。



line
2月5日(月)
 
 
□映画『不都合な真実』はすべての国民が見て欲しい
 暦の上では立春が過ぎたのだが、これからが本格的な冬となりそうである。それにしても、世界的に異常気象が続いており、地球がおかしくなり始めている。
 地球温暖化問題については、今やヨーロッパだけでなくアメリカですら多くの関心を集め始めている。とくに、今から2年前の巨大なハリケーンカトリーナがニューオーリンズ一帯を襲った際の大災害が大きな影響を与えたことを忘れることはできない。危険だから脱出するように、との警告が早くから出されていたにもかかわらず、脱出する手段を持たない多くの貧困世帯が遭難に会い、多くの犠牲者を出したのである。アメリカ社会の格差問題が、いかに深刻なものになっているのかを明らかにした象徴的な出来事でもあった。
 こうした中で、アメリカの元副大統領で、「一瞬の期間」大統領に選出されたアール・ゴア氏の講演を中心にした記録映画である『不都合な真実』を見た。はじめから終わりまで、ゴア氏が訴え続け、戦い続けてきた地球温暖化の危機について、まことに説得力あるデータ・真実を突きつけ、観るものをしてうならされる。小生が一番印象的だったことは、北極海の海氷が解け始めると、氷なら90%は反射するのだが、海水にあたった太陽熱は吸収されやすくなり、ますます海温を高めていくわけで、深刻な事態が進み始めているのだ。これはグリーンランドも南極も同じように進み始めていると言う由々しい事態なのだ。
 一方、このようなゴア氏の継続した訴えに対して、アメリカの政治家たちはこれまでは過激な主張として退け続けてきた。とりわけ、1997年日本の京都で開催され、ゴア氏が大変な努力を傾けたことで辛うじて締結された京都議定書の批准を、ブッシュ政権と議会は拒否し続けてきた。大統領選挙で破れて以降、アメリカ国内はもとより世界各国に足を運び、地球温暖化の危険性とそこからの脱却を追及する運動に情熱を傾けてこられたわけで、正直政治家の端くれとして頭が下がる思いであった。この映画は是非とも多くの市民の方たちに見てもらいたいと思う。そして。われわれの生活のあり方を改革し、もっと地球に優しい経済社会を作り上げていく必要があるし、それはますます急を要する事態なのだ。

□アメリカを国際社会のルールの中に引き込むべきだ
 ちょうど今年2月2日、パリで開催されていた「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第一作業部会の会合で、今世紀末の地球の平均気温は1990年に比べ最大6.4度上昇が予測される、などとする第4時報告書をまとめた。前回の2001年前には5.8度上昇と予測されていたことからさらに上昇するわけで、今後豪雨や熱波などが急増することが予想されるだけに、一刻も早くアメリカを含む先進国だけでなく、今や急成長をしている中国やインドなどを含む途上国も参加した京都議定書に続く目標を立てていく必要があるのだ。
 ではどうしたらアメリカを国際社会の約束事に参加させることができるのだろうか。今やアメリカは独りよがりの行動を軍事面でも経済面でもとり始めており、環境問題については石油産業や自動車産業の政治的圧力は誠に強いといわれる。そうしたなかでノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツコロンビア大学教授が書かれた『世界に格差をばら撒いたグローバリズムを正す』(徳間書店)を読んだ中で、スティグリッツ氏は、京都議定書に加盟し批准をした国は、WTOの枠内で、製造工程で高レベルの温室効果ガスを排出して環境を汚染するアメリカの製品に、規制や税金をかけるべきことを提案されている。それは、環境侵害を償わないことでアメリカ企業は実質的に補助金を受け取っているわけで、WTOの目的の一つは、公平な競争の場を作っていくことにあり、実践すべきことを主張されている。誠にもっともな主張であり、今後日本政府もアメリカに対して言うべきことはきちんと発言し行動していく必要があるのだ。ブッシュ政権の後は、誰がなっても地球温暖化の問題に正面から向かわなければならなくなることは必至であり、いつまでもブッシュ政権のご機嫌取りに終始してはならないのだ。

□国会は論戦の場だ、閉ざしてはならない
 それにしても、国会は論戦の場なのだ。格差問題や地球環境問題、さらには日興コーディアル問題など、政治が解決を求められている課題についての堂々たる論戦が求められている。自ら論戦の場を閉ざしてはならない。




line