2007年1月のニュースレター:[以前のニュースレター]
 
 
1月29日(月)
 
 
□格差問題に正面から立ち向かわない安倍総理
 いよいよ国会が始まった。先週金曜日には安倍内閣の4閣僚による施政方針演説ほか財政、経済、外交演説が実施された。最初は衆議院で、次いで参議院と、一度で済ませたら、と言う声が強いのだが、そこは両院の独立性が強調され、関係大臣の皆さんには大変だろうが、まったく同じ演説を2回行っている。
 安倍総理になって初めての施政方針演説であり、かなりの推敲を重ねたものだと言う。確かに言葉は踊っているし声も割合と大きいのだが、なんとなく迫力に欠けているし、例えば最低賃金の底上げだとかパート労働者への社会保険適用であるとか、かつて民主党が主張していた政策がいつの間にか取り入れられる一方、これから論戦の題材となる格差問題については「格差」と言う言葉が一度も使われないほどの徹底振りが目に付く。もちろん憲法や拉致問題などタカ派ぶりも相変わらずだ。
 施政方針演説に対する代表質問が、今週の月曜日から始まる。民主党からは衆議院では小沢代表と松本政策調査会長が、参議院では輿石会長ほか2名のバッターがそれぞれ質問に立つ。小沢代表は久方ぶりの代表質問であるだけでなく、なんとも説明がつかない事務所費問題で佐田国務大臣が昨年末辞任したのだが、代表自身の事務所費問題とされている件についても質問の中で自ら解明されることになっている。参議院の副議長の問題といい、何とか国会の論戦が本格化する前に、国民が理解できるよう、けじめがつけられるよう強く求めたい。

□「上げ潮政策」の甘い予測に幻惑されてはならない
 さて、今度の通常国会で一番追及していくのは「格差問題」なのだが、来年度以降の予算やその前提となっている経済財政政策についてもしっかりとした論戦を挑んでいく必要がある。いわゆる「上げ潮政策」といわれるもので、昨年7月に経済財政諮問会議で確認された「歳入歳出一体改革」が策定され、そこでは2011年までに基礎的財政収支を黒字にするためには、16,5兆円財源不足があると想定し、このうち最大で14,3兆円分を歳出削減でまかない、足りない分を消費税の引き上げでまかなおうとしてきた。その前提として、高い経済成長を目指すべきだ、として名目GDP成長率を4%にまで高めるべきだ、と言う中川秀直幹事長や竹中前大臣らと、与謝野、谷垣前大臣らはもっと安定的な成長を前提に不足する分はきちんと増税すべきだ、と言う対立になり両方のケースについて将来見通しを策定していくことで決着してきた。
 ところが、06年度の税収が予測よりも7兆円ちかく大幅に増えることとなり、「このまま景気が順調に進めば増税なしでも基礎的財政収支が黒字になるのでは」と言う声すら上がる始末であった。問題は、この7兆円もの税収増がどのような要因によって生まれたのか、と言うことである。その前に、大体当初予算を編成するときの税収見積もりが、あまりにも杜撰であったのでは、と言う疑問が残る。その点は別にして、7兆円のうち半分の3,5兆円は税収の増加であるが、そのうち定率減税の廃止によるものが1兆円近くあり残りは法人税増収が大部分である。残る3,5兆円は歳出の削減と言う。

□イノベーションは経済界を優遇することでは生まれないのでは
 この大幅な税収増加の元で、来年度の予算編成では国債発行の削減や地方交付税赤字分53兆円のうち国の負担分19兆円の削減に回されたのだが、「上げ潮路線」派は、とにかく経済成長を高めることで財政再建を軌道に乗せようと、なんでもかんでも経済成長を高めるよう全力をあげるべきことを施政方針演説に盛り込んでいる。考えてみるべきは、経済が成長するためには中長期的にはイノベーションが必要であるが、どうしたらイノベーションがおきるのかはブラックボックスだと言われている。イノベーションの必要性を力説したシュンペーターの『経済発展の理論』を読んでも、法人税の引き下げなど、為政者が経済界を優遇すれば簡単におきるなどありえないのであり、かえって優遇された環境ではおきにくいのではないかとも思えるのだが、施政方針には成長と言う言葉が踊っている。
 それよりも怖いのは、安易な設備投資の拡大を低金利と過剰流動性の元で低成長部門にまで拡大すれば、かつてのバブルの再来となって再び日本経済を塗炭の苦しみに落とす恐れが出てくるのでは、と言う点である。日銀の金利政策を正常化させない政治的圧力を厳しく批判し、再びバブルを招かないよう安倍内閣のいわゆる「上げ潮政策」に強い警戒の声を発するときなのだ。






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1月22日(月)
 
 
□日銀の政策決定会合への露骨な介入は許されない
 今年の冬は異常なのかもしれない。昨年が豪雪であったのに、今年は異常に雪が少なく、このままでは札幌雪祭りや、ノルディック世界選手権大会の開催が困難になるのでは、と危惧され始めている。
 さて、先週17〜18日にかけて日本銀行の政策決定会合が開催された。今回は短期金利を0.25%から0.50%へと引き上げるのではないか、と予想されていたのであるが、会合の2〜3日前あたりからどうも据え置くのではないか、と言う報道が出始め、結果的には0.25%と据え置くこととなった。ただし、その結果は9人の決定会合のメンバーのうち、3名が引き上げを主張し6対3の過半数でもって据え置くこととなったことが明らかになっている。
 この日銀の政策決定会合で、当初今回は引き上げられるのではないか、と言う観測が出始めるや否や、自民党の中川幹事長をはじめ多くの閣僚も含めて引き上げにブレーキをかける露骨な介入を実施したのであり、その結果として日銀の政策が捻じ曲げられたのではないか、と言う批判が広がり始めている。中には尾身財務大臣のように、日銀の政策決定会合で政府側から議決を延期することができる権利を行使すべきではない、と言う「まともな」主張もあったのだが、かなりの圧力が繰り広げられ、わが党の菅代表代行の主張されるとおり、日銀の独立性に対する露骨な介入として厳しく批判されなければならないことは言うまでもない。今後の国会での論戦の中で問題の指摘が行われるであろう。

□舌足らずで準備不足な小生のコメントに反省したい
 じつは、1月19日付の日本経済新聞の報道記事の中で小生のコメントが掲載されている。囲みの記事ではなく、自民党の側のコメントに対して民主党側のコメントと言う形で掲載されているのだが、真意を伝えるのがなかなか難しいものだ、と痛感させられる報道振りとなっている。
 もともとわが党は、今の日本の金利水準があまりにも低すぎて、そのことが得べかりし金利所得を十兆円単位で失っているために、内需が思うように拡大しない一つの要因になっていることから、金利を早く正常な水準に引き上げることには賛成なのだ。もちろん、それだけで金利を考えるべきではなく、物価の安定や経済の状態を慎重に考える必要があることは言うまでもない。ただ、新聞記者の電話での質問は、今回の据え置きに対してどのように考えるのか、と言うことであり、前回の12月の政策決定会合で日銀が据え置いたときの経済状態から今回の決定会合までにあまり大きな経済状態の変化は出ていないのではないか、とりわけ内需の拡大は弱いままだし、物価も依然としてデフレーターはマイナスでもあるだけに、今回の据え置きはまあ妥当なところかな、と答えてしまったのが実情である。
 もちろん、わが党は金利を引き上げることには賛成していますよ、と付け加えたのであるが、そのことは掲載されていない、と言うのが実情である。直接の取材ではなく、電話による取材と言うのはなかなか真意を伝えにくいものだ、と言うのが率直な感想である。もっとも、日銀の政策委員会の決定に対して新聞からのコメントを求められたのがはじめてであったために、やや精神的ゆとりのない中での発言であったため不十分なものに終わってしまった次第であり、大いに反省している。

□やはり辞任すべきであった福井日銀総裁
 それにしても今回の日銀の金利据え置きに対する市場の反応は厳しいようだ。その批判の中で見逃すことができない点が2つある。一つは、日銀の政策委員会のメンバーの意思決定の情報が漏れているのではないか、と言う点であり、第二に今回の決定に対して自民党の圧力がかかってきた際に、日銀総裁の村上ファンドの問題がやっぱり影響しているのではないか、と言う声が出されていることであろう。第一の点については、政策委員会の前後にはブラックアウトルールと言って、一切の情報遮断が要求されるのだが、結果的に漏れてしまっていることで、日本の金融市場の不透明性を露呈したものと批判されても仕方がない。国会でも厳しく問題を追及していく必要がある。第二の問題は、今後の政策決定に当たっていつでも指摘される問題であり、やはり福井日銀総裁は昨年7月辞任されるべきであった、としか言いようがない。日銀の独立性のためには、今からでも遅くないのではないだろうか。




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1月15日(月)
 
 
□「改革」の小泉政権から「成長」の安倍政権へ
 国会は25日開会と言うことで、いよいよ激動の2007年が始まろうとしている。日興コーディアル問題や佐田大臣と本間税制調査会会長の辞任問題など、多くの論議を必要とする問題が、時間の経過とともに人々の記憶から消えうせていくわけで、まことに痛ましい限りである。
 さて、小泉内閣から安倍内閣に移行する中で、経済財政問題が様変わりをし始めている。小泉内閣は「改革なくして成長なし」がスローガンであったのに対して、安部内閣は「成長なくして未来なし」と「成長」を前面に出している。小泉前首相の場合は改革ができれば成長できるとしているのだが、肝心の改革がどのように成長とつながっているのか説明されないため、成長が進まなければ「改革」が不十分だと言い、改革なるものが数字で表されないために極めて曖昧模糊としていたのであるが、安倍首相の場合は「成長」を前面に出しているため、数値目標として出てこざるを得ない。それだけに結果が数値目標と乖離すれば、その責任を問われざるを得なくなる。

□本当に実現可能なのか、名目成長率4%
 昨年12月26日に開催された経済財政諮問会議で出された『日本経済の進路と戦略』の中で、この中で盛り込まれた政策が実行される場合は今後の5年間の実質成長率は2%あるいはそれをかなり上回る成長率が可能で、名目成長率は3%台半ば程度かあるいはそれ以上も視野に入ることが期待される、としている。もちろん、そうならないリスクもあるわけで、うまくいかない場合は実質で1%台前半あるいはそれ以下もありうるし、名目でも2%台前半あるいはそれ以下にとどまると見込んで入る。いずれにせよ、実質で2〜3%、名目で3.5〜4%を目指そうとしていることは間違いない。いわゆる「上げ潮路線」である。この『進路と戦略』の目標がそのまま政府の目標になるのかどうか、予断を許さないのだが、安倍内閣はこの数値目標に拘束されることは間違いない。
 確かに低成長よりも高成長のほうが、いろいろな改革を進めていく上でよいことは言うまでもない。とりわけ財政再建を進めていく必要があるわが国にとって、経済が高い成長を続けていけば租税収入も増大するわけで、2011年にプライマリーバランスを黒字化するという目標は、この間の景気回復に対応して税収が増え続けた勢いで行けば、増税なしで達成可能と考えられるようになりつつある。すなわち、今までの政府の方針である「骨太2006」では、今後黒字化に必要な額は16,5兆円であったが、税収の増加で3兆円以上見込みよりも増えたため、当初必要とされていた歳出削減額14,3兆円だけで十分となり消費税の引き上げは必要なくなると見込まれている。

□社会保障財源や教育費の削減はもう限界を超えてきた
 問題は今続いていると言われる好景気がいつまで続く保障があるのか、と言うことであろう。景気が好不況の波を繰り返すのは当たり前のことであり、いざなぎを超えたといわれる現在の景気がさらに5年間も継続するとは考えられないのであり、税の自然増に頼った財政再建には与することはできないのだ。しっかりとした財政を確立する必要性がある。というのも、少子高齢社会のもとでしっかりとした社会保障財源をつくらなければ安心できる生活は保障されないのであり、社会保障や教育などの分野では歳出削減は限界を超え始めているのだ。すでに、リハビリでの入院期間の制限問題が大きな問題となっているし、障害者自立支援法の実施に伴う1割負担問題や母子家庭に対する支援措置の削減問題など、政府自身見直しを迫られる課題が噴出し始めているのだ。

□増税より前に不公平税制の解消を
 今必要なことは、今後の少子高齢社会を支えていけるセーフティネットをしっかりと張り替えていくことであり、そのために必要な財源を国民にしっかりと訴えていくことである。そのばあい、もちろん無駄な支出や必要のない支出をなくしていくことは言うまでもないのだが、必要な予算をしっかりと確保していくための財源を確立していく必要性を政治家は強く打ち出していく必要がある。その場合、忘れてはならないことは日本の税収入は先進国の中で、GDP比でみて最低の部類に陥っていることであり、社会保険料を含めた国民負担率(公的負担率と言うべきである)で見ても同様である。まず進めるべきは税制の不公平さを改革していくことであり、所得税の総合課税化を提言したい。そのためにはいわゆる納税者番号制度の導入も不可欠であることは言うまでもない。格差問題が喧伝されている中で、まず公平な税制を確立することから改革をしていく必要があるのであり、増税などはその後の話なのだ。





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1月9日(火)
 
 
□朝日新聞に日興コーディアル問題の小論を寄稿
 毎年の事ながら、年の初めの会合はなんとなく晴れやかである。正月の三カ日が穏やかな天気であり、積雪も例年になく少なく、今年こそ明るい夢を抱いて1年間過ごしたいものだ、と感じる今日この頃である。
 昨年12月30日付けの朝日新聞のオピニオン欄で「日興コーディアル問題について」の私の視点と題して小論を掲載していただいた。わずか1300字足らずの短いもので、十分に意を伝えることができたかどうか、金融問題とりわけ粉飾決算問題というやや専門的な領域の問題であっただけに、世間の耳目を集めるまでにはいたらなかったであろう。ただ、それでも何人かの方からは読んでいただいた感想が寄せられ、それなりに好評であったようだ。今後もこのような情報発信を心がけていきたい。
 その日興コーディアル証券グループの会長、社長の辞任を受けて、新しい経営陣によって調査委員会なるものが設置され、会社側自身の手による問題の解明が行われるとの事、どんな調査結果が出るのか注目はしたい。なにせ日興コーディアル証券グループは、コーポレートガバナンスの優良な企業であり、今はやりの社会的責任(CSR)にも熱心に取り組んでいることになっていたし、環境にもやさしいと言うことで2年前、日本環境経営大賞を受賞したぐらいの「優等生」であったのだ。どうしてこのような問題が出てきたのか、投資家、国民に対して説明責任を果たすのが、企業の社会的責任以前の義務であろう。

□5億円の課徴金だけで巨悪を眠らせてはならない
 問題は5億円の課徴金だけで終わったのではなく、むしろこれからが日興コーディアル証券グループにとって厳しい試練に直面する。というのも、今回問題となったSPCの連結はずしによる140億円余の利益の付け替えだけでなく、EB債発行によるインサイダー疑惑や疑惑に包まれた1000億円近いお金の行方について明確にしなければならなくなるのだ。
 さらに、問題は会計監査に当たった旧中央青山監査法人(現在はみすず監査法人が継承)の責任問題になってくる。みすず監査法人は日興コーディアルの訂正報告書の作成から降り、代わってあらた監査法人が担当することとなった。あらた監査法人には旧中央青山監査法人時代に日興コーディアルを担当した公認会計士が複数いると言われ、この担当者がよもや訂正報告書の監査にかかわることはないと思われるが、どのような監査がなされるのか訂正報告書の提出期限とされる2月28日に注目したい。もちろん、これまでSPCを連結からはずすことにお墨付きを与えてきた旧中央青山監査法人の奥山理事長や、”問題ない”と国会で参考人として堂々と述べられた片山みすず監査法人理事長などの責任なども追及されてしかるべきであろう。

□日本版「エンロン事件」として国会に調査特別委員会設置を
 いずれにせよ、これらの問題を含めて国会が開催されれば(もちろん閉会中審査を要求することは当然である)関係者をお呼びして徹底的な問題点の解明と責任を追及していく必要がある。事態はアメリカのエンロン事件と酷似しているといわれ、その解明はまさにこれから始まるのだ。度重なる粉飾決算問題が続くだけに、国会の中に調査特別委員会を設置して解明することも提案したい。とにかく、通常国会の中でこの問題を徹底的に解明し、二度とこのような資本市場のスキャンダルが出なくなるような改革を成し遂げなければならないのだ。政府は「貯蓄から投資へ」をうたい文句に、証券税制の優遇措置をはじめ種々の規制改革を継続しているのだが、肝心の資本市場の担い手である大手証券会社が粉飾決算に手を染めているようでは投資家が安心して投資できるわけがない。今回この問題を告発した証券取引等監視委員会の体制も、アメリカなどと比較してあまりにも貧弱である。第一、今回の事件の発端から告発まで1年以上もかかっているのだ。
 昨年は日興コーディアルではなくライブドアが大きな問題として世間の耳目を騒がせたのだが、問題の根っこは日興コーディアルグループのほうが悪質であり、このまま5億円の課徴金と 会長、社長の首を差し出しただけでは法の下での公平さが保たれなくなる。方や新興勢力ライブドアには、ホリエモンをはじめとして刑事事件の被告人として追及しながら、他方で老舗の大企業である日興コーディアルグループは、5億円の課徴金だけとはあまりにも不公平なのだ。この点についての詳細も、やがて国会などで明らかにしていきたい。
いやはや、今年も選挙と言う一大決戦とは別に、またまた大変な一年になりそうです。がんばります。



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1月4日(木)
 
 
□2007年、すべての戦いを参議院選挙に
 あけましておめでとうございます。いよいよ2007年の政治決戦の年を迎え、なんとしても参議院選挙での与野党逆転を勝ち取り、政権交代の土台を築いていく必要があります。議席の差は15議席、前回の参議院選挙と同様、民主党が51議席を獲得できれば大いに可能となる数字であり、このチャンスを逃す限り政権交代はなかなか難しいのが実態です。それだけに、すべての力を参議院選挙に投入していくことが不可欠です。
 昨年末までの安倍政権の状況は、明らかに国民の支持率が大きく低下しており、年末には佐田内閣府特命大臣が政治資金の使途不明問題によって辞任し、本間政府税制調査会会長の辞任に続く安倍総理の任命責任が問われる事態になっています。国会が開催されていれば、直ちに予算委員会を開催して責任の所在を追及すべきところなのですが、閉会中のため真相解明ができず、国民の記憶が薄れてしまうと言う残念な状況にあります。
 その国会のほうは、1月25日に開会されることとなりましたが、当初は19日に開会する方向であったものの、それでいけば参議院選挙投票日が7月15日で3連休の谷間となり、投票率が低下することを防ぐために遅らせたと報道されていますが、その真意は良くわかりません。かえって7月22日のほうが夏休みに入って投票率に悪影響を及ぼすことになるのでは、と思うのですが、どうでしょう。今、永田町界隈でうわさされているのは、安倍内閣の支持率がさらに低下すれば、衆参同時選挙に突入するのではないか、と言うことです。過去2回1980年と86年の2回、衆参同時選挙が実施されたとき、いずれも自民党が圧勝したことを以って「柳の下の泥鰌」を狙おうとしているのでしょうが、かつては中選挙区制、しかも衆参ともに内容が異なる比例代表制を持っていることからしてそう簡単なことではないはずで、それよりも、安倍内閣の後は再び小泉前総理の再登場、と言うようなうわさすら飛び交い始めているのが実態です。

□通常国会の焦点は「格差問題」と「労働問題」
 いずれにせよ、民主党にとっては相手がどうなろうとも、国会で堂々と政策論争を挑み政権交代を愚直に訴えていく以外にはなかろう。材料には事欠かない。昨年の国会でも多少は論議され始めてきた「格差問題」について、市場原理主義の弊害が個人の所得や資産格差として、また、東京と地方の地域間の格差として、さらに、一握りの輸出主導の大企業と大部分の中小企業との格差の拡大など、予算委員会での真剣な追求が求められる。
 さらに、今度の国会は「労働国会」にしなければならない。いよいよホワイトカラーイグゼンプションなるものが厚生労働省の審議会を通過し、早ければ今通常国会に法案が提出される見込みである。もっとも、公明党の代表が時期尚早を唱えているのですぐに法案化されるかどうか微妙ではあるが、不安定雇用労働者の増大やそのこととも関連するワーキングプア問題など、国民生活にとって重大な問題が山積しているのだ。経団連の会長企業でも偽装請負と言う不法がまかり通っているように、労働現場で起きている深刻な実態を取り上げ、人間のために経済があるのであり、経済のために人間があるのではないことを明確にさせていく必要がある。

□いつまで凋落する覇権国家アメリカに追随するのか
 外交に目を向けてみるとき、アメリカに追随する外交が限界に来ていることを明確にしていく必要があろう。昨年末30日、フセインが絞首刑された。年内の処刑が急がれた背景には、もちろんアメリカ政府の強い意向が働いていたことは言うまでもなかろう。このことによってイラク国内の内戦状態はさらに深刻化すると同時に、アメリカとイランとの危険な状態も気がかりである。ホルムズ海峡には米空母2隻が常駐しており、いつ戦火を交えるのか、まことに危険な状態にあると言われる。火薬庫と化した中東地域の中で、サウジアラビアの動きも気になる。親米派から反米派に転換するかもしれないと見られており、今後この地域でのアメリカの存在感が一気に薄くなり、アメリカ、イスラエル抜きの中東世界に転換することも十分に予想しておくべきかも知れない。そんな激動の時代に向けて、日本のとるべき外交のあり方も日米関係さえ良ければすべて良い、とするものであってはなるまい。アジアも含めた複雑な時代を読み解いていく必要があろう。
 おかげさまでこのニュースレターも601号となりました。引き続き、政局を中心にした峰崎直樹の思いを伝えていくつもりです。今年もどうぞよろしく。




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