2006年12月のニュースレター:[以前のニュースレター]
 
 
12月25日(月)
 
 
□今後も落下し続けるか、安倍内閣の支持率
安倍内閣が発足して初めての国会が、19日終わった。新政権の誕生は7割近い党員や国会議員の支持を集め、しかも最初の外遊先に中国を選び、ついで韓国訪問をした丁度そのとき、北朝鮮の核実験の実施と言う絶好のタイミングの中で、国民からこれまた7割近い内閣支持率を得たわけで、まさに「北風」が吹く中での「ロケットスタート」と呼んでも良い幸先よい船出を飾ったのだ。ところがこのニュースレターでも安倍内閣に移行するとき一番の難問と予想していたのが、郵政改革に反対した人たちのいわゆる「復党問題」であったのだが、案の定11名を復党させたあたりから支持率が大きく低下し始め、タウンミーティングのやらせ問題や支持率低下への焦りからか、急遽道路特定財源の一般財源化、と言うこれまた政策での難問に挑戦したものの、あえなく自民党内の道路族・運輸族などの抵抗にあい、道路に必要な財源を上回るものについてだけ一般財源化する、ということでお茶を濁されたのだ。見方を変えれば、必要な道路は作るという言質を取られてしまったのであり、完全に古い自民党に先祖がえりしてしまったのだ。マスコミの世論調査では支持率が50%を切るものも出始めており、今後の展開如何では参議院選挙での勝利はおぼつかなくなることは必至であり、民主党としてもしっかりと戦いを進めていく必要がある。まさにチャンス到来なのだ。
□日興コーディアルグループの粉飾決算の犯罪性
さて、先週は日興コーディアル証券の粉飾決算問題が大きく報道され、いまだにその余波が続いており、経営者の責任問題を含め決着はついていない。この問題が、初めて昨年12月月刊『現代』誌上で、ジャーナリストの町田徹さんによって指摘されて以降、国会では今年2月小生が始めて質問に立ち、「ライブドアよりも悪質ではないか」と追求し、当時の与謝野金融担当大臣から調査をしたい、と言う答弁を引き出しようやく1年近く経って証券取引等監視委員会から5億円の課徴金の勧告が出されたのだ。この勧告に対して、当の日興コーディアル側は5億円の課徴金に応じるとしたものの、肝心の粉飾決算については、組織的なものではなく一社員が事務的に誤ったものであった、と記者会見をし、金子会長や有村社長などの責任に対してほうかむりしようとしたのである。
これに対する世論の批判が高まり、山本金融担当大臣も激怒し、22日の記者会見の中で「監視委は日興から『単なる一社員の事務ミスによるものではない』との説明を受けている」と述べ、さらに「経営責任として辞任、解任はありうる」とも述べ日興グループに対応を求めてきた。マスコミの報道によれば、金子会長、有村社長の引責辞任の方向になりつつあるとの事であるが、なんともはや日興グループの迷走には心から怒りを覚える。ましてや、課徴金5億円とはライブドアよりも悪質なのに、方や新興企業であるがゆえに刑事事件にし、老舗の大企業は刑事告発なしとはあまりにも公平さを欠いていないだろうか。
□日興問題調査特別委員会を設置し、徹底的な解明と解決方策の提示を
問題は深刻である。それは、日本を代表する日興證券グループが、本来証券市場の担い手としてもっともコンプライアンスを保持しなければならないはずなのに(日興グループは委員会設置会社として進んだガバナンスの企業、とされてきたことを忘れてはならない)、このような粉飾決算を堂々と、国会などでも問題を指摘されながら居直り続けてきたのであり、会計監査を担当したおなじみの旧中央青山監査法人も、これまた国会の場で適正だとしてきたことである。古くは10年近く前の山一證券、拓銀、長銀、カネボウ、足利銀行、りそな銀行、ミサワホーム・・・、何度も同じ過ち繰り返し続けていることに対して、単に課徴金だけで済まそうとすること自体、まことに問題であり、この日興グループの今回の問題を契機に「日本版エンロン事件」と位置づけ、しっかりとした特別調査委員会を立法府に設置し、二度とこのような問題が起きないようにするべく、徹底した事態の解明と解決策を提示する必要を感じている。それこそが国民に対する責任ある対応だと思う。民主党の金融担当の責任者として、もちろん、設置されれば積極的に協力していく準備がある。
アメリカでは1930年代の金融恐慌の時には「ペコラ委員会」が議会に設置され、徹底的な事件の解明に当たったという。また、その中から銀行と証券を分離したグラススティーガル法が出来上がったのだ。最近ではエンロンやワールドコム事件の後には、サーベンスオックスリー法が出来上がり、ただでさえ厳しいSECのもとで、より厳しい企業のガバナンスの向上に努力しはじめているのだ。日本でも今年に入って「金融商品取引法」ができたものの、まだまだその中味は不十分である。残念なことに、問題を提起すべき場が、国会閉会中のため、いくら閉会中審査を要求しても与党側は応じてくれないのだ。とにかく、閉会中審査を要求し続け、開催されれば有村社長や旧中央青山監査法人を継承したみすず監査法人など関係者の証人喚問を要求していきたいと考えている。
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12月18日(月)
 
 
□教育基本法の改悪が強行される
 国会は15日の会期末を迎え、焦点であった教育基本法の改悪が強行された。数の上では参議院においても自民、公明の与党側が過半数を上回っており、残念ながらいつかの時点では、与党側が押し切ろうとすれば数の力でもって押し切ることとなるだけに、物理的抵抗はあまり成算がない戦術になりやすい。もっとも、世論が大きく動いて与党側の政策に強い反対の声が強まればその限りではなくなるのだが、残念ながら今回の教育基本法の改悪に対する世論調査の結果は、反対する側にとって国会の流れを大きく変換させるだけの迫力を欠いていたように思われる。もちろん、多くの関係者のまことに熱のこもった教育基本法改悪反対の戦いは、大きく展開され、国会周辺への座りこみ行動などは議員会館で執務をしていても頭が下がる思いにさせられたことも間違いないのだが、与党側の心胆を寒からしめるところまでは残念ながらいかなかったように思える。
 それでも、多くの反対運動を背景にして国会内での論戦も大いに盛り上がり、中央だけの公聴会だけでなく地方公聴会も実施され、また参考人からの貴重な論議が行われたことも見逃すことはできない。また、民主党提出の日本国教育基本法の対案も並行して審議が進められ、民主党案のほうが良いのではないか、と言う声がかなりの数の与党側の議員の中に出ていたと言う。国会はやはり論戦の場であり、国会の中での戦いで審議を簡単に拒否することは、原則的には国民にとっては好ましい戦術とは受け止められにくいだけに、今回の参議院段階での国会対応については、よく戦ったと言うべきだと思う。やや自画自賛気味かもしれないが、今後の国会での戦い方について積み上げていく必要があろう。国会の終盤に衆議院が安倍内閣不信任案を上程したものの、圧倒的な与党側の数のもとで否決されたのだが、参議院段階でも安倍内閣問責決議案を上程することをめぐって、野党側の足並みが乱れたやに報道されているが、私自身はあまり問題を感じていない一人である。今後の野党共闘をどう進めていくのか、信頼関係は大切であるものの、いたずらな抵抗戦術強化論が本当に国民の支持を集められるのかどうか、真剣に考える必要があろう。

□安倍政権は前途多難の船出へ
 いずれにせよ、安倍内閣が迎えた初めての国会は一応今週の火曜日でもって終わる。当初外交面でロケットスタートを切った安倍政権ではあったが、復党問題や道路特定財源一般財源化などで支持率を大きく落とし始めており、今後の予算編成や税制改正問題など予算委員会での論戦を通じてその問題点を明確にしていく必要があろう。その際、民主党の小沢代表の提起した政権政策については、これまでの各種選挙で作り上げてきたマニフェストとの整合性など問題を指摘してきたものの、この点も18日の両院議員総会での決定に持ち込まれている。小生も2回ばかり年金や地方分権に絡んで、消費税など問題点を指摘し、このままでは反対をせざるを得ないと表明してきたが、来年の参議院選挙に向けて決まれば一致結束していく以外にないものの、財政再建や税制改革問題など政策を考えるに当たってどうしても国民に訴えなければならない基本的な方針がまことに弱く、どこかでこの点を補強すべく努力していきたいと考えている。

□日興コーディアル証券のスキャンダルに決着か
 あまり専門的な問題であったために、それほど注目を集めてきた問題ではなかったものの、日興コーディアル証券の事実上の粉飾決算問題が決着つきそうだとの新聞報道が相次いでいる。実は小生が中心になって、今年2月からライブドアに対する批判が強く出されているなかで、日興コーディアルのやり方は、ホリエモンのそれを上回るスケールでの粉飾決算ではないかと財政金融委員会で追及してきた問題であり、その決着が遅きに失したとはいえ処分が出てくるとすれば問題を指摘し続けてきたものにとって当然のこととはいえほっと胸をなでおろしているところである。もっともあくまでも予測の範囲を出ていないため、最終的な処分が出てこないとコメントの仕様がないのではあるが・・・。
 早いもので、もう今年の余すところ2週間足らずとなった。今年も本当にいろいろと考えさせる出来事があった歳である。それにしても、森尾昇さんが6月に亡くなられたことは、まことに残念でならない。心よりご冥福をいのりたい。




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12月11日(月)
 
 
□またまた安倍内閣の失態、道路特定財源問題
 12月にはいると札幌も小雪が降り続き、どうやら根雪になりそうである。来年の3月末まで、いやな季節を迎える。と言うのも、除雪という厄介な重労働が待ち受けているからなのだ。
 政治のほうに目をやると、安倍内閣の政権運営がガタガタし始めており、前途多難を思わせる。先週号では昨年の郵政民営化に造反した議員の復党問題について触れ、このことの与えた自民党政治への批判はなかなか重たいものがあり、安倍政権の支持率の低下は今後ずっと継続していくに違いない、と批判をしてきた。その問題が終わるや否や新しい問題が浮上してきた。それが道路特定財源の一般財源化、と言う難題である。この問題は小泉前総理が政権につくや否や所信表明で打ち出してきたもので、ガソリン税や自動車重量税といった税金を、道路だけに使うために無駄な道路が作られ続けている、として税金全体を何にでも使える一般財源にしようとしたものであった。もちろん、その方針は正しいし、民主党も原則としてそれを支持してきたのであるが、なにせ道路を作りたいと言う陳情は、地方の市町村長さんたちにとってもっとも切実なものであるとともに、道路・建設業界や、ガソリンを使って走る自動車産業など、実に多くの産業界が反対している中で安倍総理も所信表明で改革を打ち出したのである。
 結果はガソリン税(正確には揮発油税という)については一言も触れずに、08年の道路特定財源にしている法律改正時期までに結論を出すこと、その際必要な道路は作って、その結果道路特定財源が余ったらその分を一般財源にしよう、と言うことになったのである。まったくもって自民党の道路族、運輸族などの錚々たる政治家の手にかかって改革は頓挫させられていったのであり、安倍政権はここでも再び傷がついてしまったと言えよう。こんな大きな問題を、復党問題の傷がまだ消えないうちに、突然のように塩崎官房長官にとりまとめを命じたのだが、あまりにも党内外の力関係を見誤り、経済財政諮問会議の有効な活用にも失敗しており、改革に反対するものは抵抗勢力だ、と絶叫したあの小泉前総理のような演技力や老獪さに欠けていることが、今回の失敗の原因なのだろうか。

□今度は参議院選挙公認決定者の差し替え問題という難題
 それにしても失態続きの安倍政権が、続いて打ち出したのが参議院選挙の公認候補の差し替え問題という、これまた難問である。アセアン首脳会談に出向いた安倍総理は、同行記者団に対して、自分が責任を持って参議院選挙に勝てる候補者を決定していきたい。勝てない候補者は差し替えていくことを明言されたのであるが、参議院自民党の青木会長や片山幹事長などは反対しており、これまたその帰すうが注目される。どうして次から次へと難しい問題を打ち出し、そしてそれが今までのやり方ではうまくいかないという結果が目に見えているだけに、いったい誰がダメージコントロールをしているのか、まことに不可解である。政権の落ち目に差し掛かるとこのようになるのかもしれないが、それにしてもまだ3ヶ月も経過していないのにこんな体たらく、前途多難である。おまけに、せっかく中国、韓国の首脳会談をやろうとしていたのに、セブ島に台風が来るということで延期されてしまったと言うのも、「泣きっ面に蜂」というべきか。

□国会も最終版へ、教育基本法は継続審議にすべきだ
 いよいよ国会は最終盤を迎える。肝心の教育基本法問題のほうは、12日に中央公聴会が開催されることになったのだが、国会では公聴会が終わると審議の終局の条件が整うと言う、いわれなき悪しき慣行があり、今週末の採決があるのかどうかが一番の問題になりつつある。どうやら1週間程度の会期の延長がありそうな雰囲気である。というのも、何時なんどき内閣不信任案を突きつけられ、審議未了となる事態を避けたいと言うことなのだろう。もちろん民主党としては簡単に採決させるわけにはいかないのであり、その攻防の山場を迎える。財政金融委員会の貸金業規制法案のほうは、12日委員会で採決することと、13日の本会議採決が順調に行けば行われることになっている。今後とも多重債務者問題の解決に全力をあげていく必要がある。




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12月4日(月)
 
 
□安倍内閣の凋落の前兆か、復党問題
 早いもので、もう師走である。たったこのあいだ新年を迎えたと思ったのに、まさに光陰矢のごとしである。やるべきことをやっておかないと、残された時間は少ないのだ。
 政治のほうは、予想通り自民党の中で、安倍内閣に対する求心力が急速に落ち込み始めている。すでに何度も取り上げてきた郵政造反者たちに対するいわゆる「復党問題」は、結局、誓約書を提出することによって現職のうち平沼威夫氏を除いて11名が認められた。刺客として送り込まれた小泉チルドレンたちは、抵抗をしてはみたものの、所詮自民党の旧勢力によって見事に跳ね飛ばされてしまったのだ。小泉前総理などは、使い捨ては政治の世界ではありうること、それを跳ね返すのがこれからの課題、などと嘯いていたし、今回の復党が決まったときも、土下座をしてきたのだから、などと国民に対するよりも党内向けの視点でしかみていない。一体全体、昨年の解散総選挙で、自民党の造反議員に対して刺客を全選挙区に立てて、「自民党は変わるのかもしれない」と思わせたことが自民党の大勝利につながったことは間違いないわけで、その国民に対する期待を裏切ったことのつけは大きい。これからの安倍政権に対する国民の支持率の低下は必至であろう。

□中川自民党政調会長、問題発言の連発
 思い出されるのは、人事でのちょっとした失敗が、その後の政権の転落を加速させた例である。それは1997年9月、橋本内閣が高い支持率を誇っていたさなか、佐藤孝行氏を中曽根元総理の強い圧力の下、閣僚に任命したために支持率が低下し、それ以降元に戻ることなく、消費税の引き上げなどによる金融危機のもと、参議院選挙での惨敗へとつながり退陣に至ったのである。人事の失敗はまことにボディーブローのように効いてくるのだ。今度の復党問題は、間違いなく安倍政権に大きく立ちふさがってくるに違いない。すでに勢いをつけた古い自民党体制に戻したい勢力の暗躍は始まっており、中川政策調査会長は復党問題に引き続いて道路特定財源の一般財源化に対しても、安部総理とは異なった方針を公然と発言し始めており、政策の責任者が総理大臣と異なる方針を口にすること事態が由々しい事態なのであり、来年度予算編成を控えて、安倍政権の前途には暗雲が立ち込めてきたようだ。今後の展開を注目したい。

□遅きに失した上限金利の引き下げ
 先週の金曜日、やや2年ぶりの参議院本会議での代表質問に立った。貸金業規制法改正案に対する総理大臣出席のもとでの質問であった。バブルの崩壊後のデフレの進化のもとで、国民の所得水準の落ち込みや、ワーキングプアといわれる不安定労働者の増大する中で、借りやすくなった高利の貸金業者からの多重債務者の増大と、出資法の上限を超える高い違法金利で貸すヤミ金融に走らざるを得ない人たちの悲惨な状況が、連日のようにマスコミで指摘される中、最高裁が出資法の上限(29.2%)と利息制限法の上限(15〜20%)の間のいわゆるグレーゾーン金利の無効を事実上判決で下したことを受け、政府・自民党側の紆余曲折があったものの、ようやく民主党が主張していた29.2%を20%にまで引き下げることとなったもので、遅きに失したとはいえようやく改正される運びにいたったものである。この間、毎年3万人を超す方たちが自殺に追い込まれており、その中でも経済的理由によるものが多くなってきたことは間違いないわけで、この間、亡くなられたり、悲惨な思いを余儀なくされてこられた方たちにとって、失われたものはまことに大きい。もっとも、借りる側の方たちの問題も残っている。パチンコや競輪競馬などのギャンブルに狂ったり、過剰な遊興費への支出の問題などカウンセリングの必要な方たちも多い。いずれにせよ、政治が解決を求められている現代社会の大きな経済・社会問題であることには変わりはない。参議院でのしっかりとした審議を尽くしたい。

□知事候補に荒井代議士擁立へ
 北海道知事選挙と札幌市長選挙の候補者が出揃ってきた。民主党は農民連盟や連合の仲間とともに政権戦略委員会を立ち上げ、荒井聡衆議院議員を擁立することを決定し、先週金曜日に出馬要請を行った。今の情勢の下で最善最強の候補者であり、是非とも勝利していきたい。また、上田市長の対抗馬も決まったようであるが、土木建設の開発行政の専門家と言うのはやや時代感覚を疑われる。上田市長の再選を勝ち取りたい。






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