2006年11月のニュースレター:[以前のニュースレター]
 
 
11月27日(月)
 
 
□「貸し金業規制法案」で代表質問に立つ予定
 札幌もいよいよ雪が積もり、寒くなってきた。なんとか今年だけは大雪にならないように祈るばかりである。
 国会のほうは、教育基本法の審議が参議院の場で軌道に乗りはじめ、すべての委員会での審議が始まった。今週中には、今国会での重要法案の一つとして「貸し金業規制法の改正案」が本会議に上程される。今の段階では、安倍総理も出席をするなかで、小生が民主党を代表して本会議での質問に立つ予定である。上限金利が出資法で29,2%、貸し金業法は20%となっており、多くの消費者金融業者が20〜29.2%の間のいわゆるグレーゾーンで貸し付けており、最高裁は今年1月の判決の中でグレーゾーンの貸し出しについては違法とし、原則として過払い金利分について返還することができることとなってきた。それだけにどのような金利を設定するのか問われていたのだが、民主党は6年前から、すべて貸し金業の上限金利まで引き下げるよう求めてきた。自民党は、当初は一時的に25.5%の特例金利を設定したりしていたものの、世論の風圧の前で民主党案に近寄ってきたものである。

□目に余る貧困問題こそ多重債務の核心
 とくに問題になってきているのが多重債務者問題であった。パチンコや競輪・競馬と言った賭博によって多重債務になることもあり、カウンセリングによって防ぐ必要がある場合もあるのだが、それがすべての本質ではなく、一番の問題は地場産業が崩壊し、行き場のない人たちが日々の生活に困ってサラ金に手を出す、つまり、地方の疲弊による生活保護基準以下の所得しかないと言う、貧困問題こそが多重債務問題の核心なのだ。つまり、短期的に小額のお金を借りるだけなら、それほど深刻な問題はおきないのだが、長期的な貧困こそ返却不能に陥る要因なのだ。現在大きな問題になっているワーキングプアの拡大や、先進国でも1〜2位となってきた貧困率の拡大こそが大きな問題なのだ。小泉改革によってもたらされた深刻な実態が露呈していると言えよう。

□復党問題で問われる安倍総理の力
 自民党の中では、昨年の郵政解散の際に郵政法案に反対したため公認されず、無所属として立候補し当選してきた方たちの復党問題が大きな山場を迎えている。このニュースレターでも小泉内閣から安倍内閣に移行した際に、大きな問題になると予想してきたのだが、自民党の中川幹事長が提示している復党の条件を巡って、同じ党三役の一人である中川政策調査会長や参議院の青木議員会長、片山幹事長などが、「情がない」などと批判を強めており、安倍総理のリーダーシップが問われている。
 問題は自民党躍進の原動力となった昨年の郵政解散選挙では、東京や神奈川といった大都市部での支持政党のない大量の有権者が、自民党の内部の古い体質を「刺客」を送り込むことで変えていこうとした動きに支持を与えたのだが、参議院選挙を前に小泉総理の時代には、発言を控えていた古い体質を持った政治家たちが、復党を迫っている構図が見えてきたのである。ことは党のあり方に対する基本的な対立を秘めており、結果いかんでは組織的な亀裂を生じるだけでなく、都市部の支持政党のない多くの有権者の離反を招きかねないのだ。安倍総理の実現が小泉前首相によって多くがもたらされているだけに、簡単に妥協することもできないだろうが、さりとて海千山千の自民党の古参議員に対して豪腕を発揮することもなかなかできにくく、進退が窮まった感じである。その帰趨に対して注目したい。

□日高管内で馬場道議候補予定者と講演
 先週の土曜日、民主議員ネットの総会が日高の「新日高町」で開催され、久方ぶりに旧静内町に出向き「自治体改革の課題」と題して1時間ばかり講演をしてきた。当日は、来年日高管内から道議会議員選挙に出馬を予定している馬場修さんの政策発表があり、小生はその応援も兼ねたものであった。馬場さんとは自治労全道庁時代に青年部の活動家として知り合って以来の仲であり、30年近く付き合ってきた。まじめで道政に精通しており、なんとしても当選をしてもらいたいものである。人口が減少している地方の実情はなかなか厳しい。道議会の中で是非とも大活躍してもらいたいし、地方の代表としてもがんばってもらいたい。




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11月20日(月)
 
 
□強行採決すべきではない教育基本法論議
 国会は、教育基本法改正案の与党側だけの強行採決によって空転をし始めた。いじめや自殺、さらにはタウンミーティングでのお金を使っての「やらせ」問題など、教育現場や行政側の問題点が次から次へと出始めており、野党側が結束して教育問題特別委員会の審議の継続を訴え続けてきたものの、審議時間の100時間経過を唯一の理由にして衆議院での採決を強行したものである。教育の憲法と言われた教育基本法の審議であり、与野党がじっくりと慎重かつ重厚な論戦を交えることが必要であり、とくに現行基本法のどこが今日の問題になっていることと繋がっているのか、慎重に審議すべきことは言うまでもない。     
 安倍内閣の最重要法案であり、どうしても18日から開催されるAPEC前までに衆議院を通過させたい、と言うことだけが優先されてしまったと批判せざるを得ない。今週からは参議院での論戦に入るべきところであるが、どのような与党側の動きとなるのか、われわれとしても論戦の場としての国会の役割を放棄し続けることはできないだけに、慎重に見定めていく必要がある。

□小生の「経済セミナー」、盛会裏に終わる
 さて、毎年一回開催している「経済セミナー」を11月17日、札幌のプリンスホテルで開催した。テーマは「少子高齢化時代の人材活用」と題して、リクルートワークスの大久保幸夫所長から講演をいただいた。当日は200名を越える企業人や労働組合員など、多くの支持者の方たちが参加をしていただいた。少子高齢化の進展は、予想以上のスピードで始まっている。すでに日本の人口は、当初2006年がピークでそれから減少し始めると言われていたものの、実際には2005年から減少し始めており、今後は確実に人口減少社会に突入する。とくに少子化の流れは決定的で、札幌市の出生率は0.98と1を割り込んでしまったのだ。
 講演の中でも指摘されていたのだが、今後の若い労働力不足は深刻で、女性や高齢者の人材としての活用が不可欠となる。日本社会の構造転換が急ピッチで進んでいることに対して、今こそしっかりとした少子高齢化対策が必要になっていると言えよう。もちろん、メガトレンドとしてのグローバル化の中で、外国人労働力の活用なども不可避の課題であろう。否、もうすでに多くの外国人労働力が北海道内にも流入しており、例えば水産課工場の作業員の大半は、中国や東南アジアの方たちで維持されていると言う。今後フィリピンとのFTAの提携によって看護師や介護士の受け入れが始まるのだが、その数はあまりにも少ない。間違いなく人材が不足する分野での受け入れを、十分な対策を講じて準備する必要があると思う。

□「政官業のトライアングル」の打破は政権交代で
 それにしても県知事の不祥事が相次いでいる。福島県の談合から和歌山県、さらには最近では宮崎県と、かつての保守王国がずらりと並んでいる。談合は犯罪である、と言う認識が極めて弱い日本社会の中で、公正取引委員会は今年に入ってパワーアップした独占禁止法を使って急ピッチで取締りの強化に乗り出し始めた。当然のことだし遅きに失したと言わざるを得ないのだが、官製談合の場合、官僚の天下りがくっついてくる。政権党が長く続くこととあいまって、悪名高い「政官業のトライアングル」と呼ばれる腐敗の構造が、日本社会の中にしっかりと根を張っている。それを根治するためには、局所だけを抉り出してもまたすぐ再発するわけで、蔓延している病巣全体をいかに根治していくのか、こそが求められているのだ。
 官製談合の場合、やはり官僚の天下りの禁止が不可欠であり、政府側もようやくその点に弱弱しくメスを入れ始めているものの、完全にそれを禁止することができるかどうか、やはり民主党が政権党になって腐敗を一掃すること以外にはないと思う。冷戦時代には自民党を政権党として持続させることは、アメリカにとっての安全保障上の要請であったと言われているが、もはやポスト冷戦時代であり、ポスト「55年体制」の政治が求められているのだ。小泉改革5年半でもこの自民党の「政官業のトライアングル」を打破することはできなかったのであり、まさに民主党の出番ではなかろうか。





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11月13日(月)
 
 
□佐呂間町に竜巻災害の視察に出向く
 北海道で竜巻が発生し死者が数人ぐらい出たようだ、と言う第1報を聞いたのは先週の7日火曜日の午後2時過ぎで、参議院の内閣委員会での質疑を聞いている最中であった。実際に佐呂間町を襲った竜巻は、午後1時半過ぎであったわけで、大変なことが起きたので一刻も早く現場を訪れなければ、と思いつつも翌日の民主党の視察団に加われず、ようやく11日の土曜日になって羽田を飛び立ち、女満別空港から直行することとなった。
到着すると早速堀町長や町議会の正副議長から事故の現状についての報告を受け、10月7〜9日にかけて発生した異常低気圧による水害の現場も含めて事故現場に赴いた。9人の方たちが亡くなった場所では大型のクレーン車が、破壊された建物の残骸を手際よく処理をしているさなかで、周りの残骸も町長のお話に拠れば、予想以上のスピードで処理されていると言う。開発局の道路事務所の方たちの話では、地域の方たちのボランティアによる協力が、大変スムースに言っている要因との事であった。また、9名の方たちが亡くなられた建設事務所の所長さんが、地域の方たちの中で大変な信頼を勝ち得ている方だった、ということも大きな影響があったのだろう、と町議会の正副議長のお話であった。
 いずれにせよ、大変な惨事が起こったわけで、日本の災害対策の現状では、竜巻はその他の災害としてしか扱えないとの事であり、地震や津波、台風などと同じレベルに引き上げて欲しいとの事であった。視察を終えて、前日から自動車で現地入りしていた秘書の奥野さんと棟方さんとともに、佐呂間から札幌に向かうときに通った石北峠では、雪がちらつき、今年初めて冬将軍を見ることとなったが、翌日には札幌が平年より16日遅れの初雪となり、いよいよ北海道の冬がやってきたことを痛感させられた。

□歯切れの悪い安倍総理、核武装論について
 先週の8日、今臨時国会になって2回目の党首討論が開催された。2回目と言うことでようやくそれぞれのペースのとり方もわかったのか、最初よりも論議がかみ合ってきた。とくに日本の核武装を論議すべきだ、と言う主張をしている中川政策調査会長やそれに同調している麻生外務大臣の発言を、止めようともしない安倍総理の姿勢に対して鋭く切り込んだものの、形式論理にもならないような屁理屈でかわそうとしている安倍総理のやり方の姑息さが、国民の前に明らかにされたと言えよう。安倍総理にとって、自分の本音としては核武装も憲法違反ではない、との思いを持っているだけに、この論議を止めるよりも世論がどのように推移するのか見定めようとしているように思われる。これ以上の論議を絶対にやめさせなくてはならないし、罷免を要求していくべきことは言うまでもない。
 それにしても去年の郵政民営化法案に反対して自民党を除名した議員に対する復党問題が浮上してきている。とくに参議院の側が来年の参議院選挙で勝利するためには復党が不可欠だ、と主張している。小泉前首相や武部前幹事長などは牽制をしているようだが、どうやら沖縄の知事選挙後には復党の方向になりそうである。まことに有権者を馬鹿にした対応であり、いったい前回の選挙では何が問題になって解散・総選挙になって今日に至っているのか、思い出すべきである。有権者の皆様方にはこれが自民党の本質なのだ、と言うことをしかと見ていただきたいのである。ご都合主義もいいところではないか。刺客として送り込まれた新人議員の不満に対して、小泉前首相が「政治家は使い捨てになる覚悟が必要だ」と言う言葉を聴いてどのように感じたであろうか。非情な政治家による自民党政治の現実を知らされたに違いない。

□佐藤雄平新福島県知事当選万歳
 福島知事選挙の応援に10日(金)駆けつけた。立候補しているのは、小生の議員会館の隣部屋で一緒に活動してきた前参議院議員佐藤雄平氏である。自民党の推薦した候補は、元をただせば民主党が発掘してきた人物であったが、自民党との相乗りにしてはならない、と言うことで民主党として急遽対立候補として擁立することとなったわけで、時間がまったくない中での選挙戦であった。元渡部恒三代議士の秘書をしていたこともあり全県的な知名度が高く、その明朗闊達な人柄もあり誰からも好感を持たれていた。小生など政治の何たるかについて、年下ではあるものの少なからずご教示いただいたものである。めでたく当選をし、福島県知事として県政刷新の舵をとることとなった。期待したい。




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11月7日(火)
 
 
□教育の地域格差を示した高校教育の未履修問題
 国会のほうは重要法案の審議が本格化し始めている。とくに教育基本法の審議では、突然高等学校の授業で、本来履修しなければならないはずのものが、未履修のまま単位不足で卒業していたという問題が浮上し、結果として補修授業をしていくこととなった。履修不足の高校生の比率も全国では10%を大きく上回っており、これから受験を迎かえる生徒さんにとって補習授業はこたえるに違いない。単位不足の高校が多いのは、受験対策の予備校が完備していない地方で多いと言う。つまり、受験対策を高等学校が積極的に進めているところほど多くなっているのだ。教育格差が大きくなっている中で、所得の格差だけでなく、こうした地域間の格差が大きくなっていることも改革していく必要があるのだと思う。私事になって恐縮であるが、小生の卒業した高校は私立であり、中高一貫校であり受験対策の関係で高等学校での社会科の履修科目は選択性で、小生などは地理と日本史と社会科社会しか取らなかったと記憶している。今から43年前のことであるから今回の問題と直接比較できないのだが、大学入試という難関に挑戦するとき、はじめから大きな較差を抱えるハンディキャップはできるだけなくしていく必要がある。

□大田経済財政担当大臣に質問予定
 今週7日の火曜日には、経済財政担当大臣である大田弘子氏に対する質問をする機会をいただいた。竹中平蔵氏の後継者として経済財政諮問会議の舵取りを担う内閣の最重要な大臣であり、それだけにこれまでの小泉改革の評価や今後の歳入歳出一体改革の方向性についてしっかりと質問をしてみたい。
 その際、最近社会保障問題で鋭い指摘をされている権丈善一慶應義塾大学教授の論文に強く印象付けられた。それは、医療、介護、保育や教育といった現物給付についてはどんな国民でも必ずサービスを受ける権利のある「平等消費」を保障されるべきであり、それを実現できるのは唯一政府だけであること、現在それらが「小さい政府」の名の下で、所得の高い者しかサービスが受けられない「階層消費」に変えられようとしているのだという指摘とともに、すでに教育の分野では医療の世界で導入の是非が論議されている「混合診療」が、実質的には導入済みの状態になっているとの指摘がなされている。

□医療や教育さらには不安定雇用問題の深刻さに視点を
 さらに、医療の世界では医療費の削減の結果、医師一人当たりの人口が先進国で最も多くなっており、医療のレベルがイギリス並みに荒廃しつつあることに警告を鳴らしておられる。まさに、「民間にできるものは民間にやらせる」こと自体、日本語として文法上は間違っていない当たり前のことなのだが、民間(市場原理)に任してはならない分野まで民間に任せてしまうことによって、医療の現場や教育の現場で目を覆いたくなるような惨状が出てきているのだ。
 この現場の生々しい実態は、規制緩和が大きく進展させられた労働現場でも、まことに悲惨な状態が誰の目にも明らかになってきている。パートやアルバイト、派遣労働者や請負労働者など年収200万円にも達しないワーキングプアが1000万人をはるかに超え、雇用労働者の3分の1を超えてなお増え続けているのだ。なにも雇用労働者の労働条件が、年功序列で正規労働者だけでなければだめだ、などというものではない。でもどんな短時間労働でも、均等待遇の原則さえきちんとしておく必要があり、パートでもアルバイトでも派遣労働や請負労働でもきちんと保険に加入させ、同じ労働に勤務しているものに対しては同じ時間当たり賃金を保証する必要があるということである。
 大田弘子大臣は個人的にも一度食事をともにしたことがあり、なかなか気さくで朗らかな方である。でも依ってたつ考え方の基本は竹中大臣の市場原理主義的な考え方に立脚されており、民主党の次の内閣で同じ担当になっている小生としても、本格的な論議をしておくべきだと考えたところであり、75分間と言う短い時間ではあるが真剣に対峙してみたい。

□西川旭川市長の誕生、万歳、おめでとう
 それにしても旭川市長選挙での西川将人さんの勝利はうれしい。来年の統一自治体選挙に弾みが尽くし、何よりも若い37歳の西川さん自身、政治家としての将来が強く期待されるからである。勝つことが道を開くことに通ずるのだ。



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