9月25日(月)
□韓国に納税者番号とインボイスの調査に出向く 先週の18〜19日にかけて、韓国のソウルを訪問した。かねてより韓国で納税者番号制度と付加価値税についてインボイスが導入されており、その中身を調べに出向いたものである。同僚参議院議員である尾立源幸さんと一緒に、1泊2日という短い滞在であったが、多くの中身と現実の運用状況について知ることができた。まさに「百聞は一見にしかず」ということである。 まず、納税者番号制度であるが、韓国では住民登録番号が納税者番号としても使われている。住民登録番号については、同じ民族である北朝鮮国民との違いを明確にするためのID番号として導入されたものであり、準戦時体制にあった韓国ではあまり国民からの反対もなく導入されており、われわれのプライバシー問題との関連での質問を受けて、そういう問題もあるのか、と妙に感心されていたのが印象的であった。 一番議論をしてきたのがインボイスである。韓国で付加価値税が導入されたのが1977年であり、日本の導入よりも10年以上も早く、しかもいきなり10%という単一税率から入っている。日本では3%、5%と徐々に税率を高くしていったことに比べて、まことに大胆な改革に驚かされる。これというのも、まだまだ1977年当時は韓国の政治体制が、権威主義的なものであったことが影響しているものと思われる。インボイスの発行によって、異なる業者の仕入れと売り上げが、コンピューターで突合される実態を目の前で見せられ、これでは企業の側からごまかすのは容易ではないことを感じさせられたのであるが、現金でのやり取りはなかなか把握できないとのことであったし、事業者がインボイスを発行するためだけで設立され、インボイスを売買にすることを防ぐ努力がなされていることも見せていただいた。 総じて納税者番号制度もインボイスも、いろいろと技術的な問題はあるものの、韓国の税制の中にしっかりと組み込まれている、という印象を持って帰国した。ただ、日本のような様々な利益団体が跋扈している社会では、このような国民や事業者に番号をつけて、税制や商取引に使うことに対するものすごい反対が想定されるだけに、その実現に向けたハードルがまことに高いものになることが予想される。それでも、公平・公正さを求める必要のある税制にとって、納税者番号やインボイスの導入は不可欠だと思う。
□善戦した谷垣財務大臣 さて、ポスト小泉が誰になるのかは、すでに何度も報じたように20日、安倍官房長官に決まった。問題は当初は70%を超える得票を勝ち取るのではないか、と予想されていたのに66%ということで、数の上では圧勝には違いないものの、やや伸び悩んだ、と報道されている。それに比べて麻生外務大臣が136票、谷垣財務大臣が102票と善戦したことが注目される。特に谷垣財務大臣は国会議員票だけで66票を獲得し、麻生氏の69票に迫る善戦であった。その背景には、国家主義的な安倍氏の政策に対する懸念や、政治家として増税を訴えた谷垣氏への誠実な態度に共鳴した議員が多かったことを示している。もっとも、安倍氏が参議院選挙の公認候補の見直し問題に触れるなど、ともすれば独自性を発揮したい参議院に対する、新総裁としてのリーダーシップの確立を訴えたことに対しての批判票もある、という見方もあるのだが、なかなか確定した見方はできにくい。
□注目したい宮内オリックス会長の後任人事 さて、今週はいよいよ臨時国会となるのだが、安倍新総理の元での内閣の組閣と自民党新三役の選出が行われる。その中での注目すべき点は多いのであるが、あまり注目されていない人事の中で、各種審議会の委員の変更に注目したい。それは規制改革を進めてきたオリックスの宮内会長の辞任であり、その後任に誰がなるのかという点である。宮内会長は小泉内閣の下で、「官から民へ」のスローガンの下、行き過ぎた規制改革を強力に進めてきた張本人であり、その改革で自身の商売を拡大してきた「政商」とも揶揄される人物である。一例を挙げれば、今日、働く労働者の人材派遣や契約労働など不安定低賃金・未権利労働者の拡大が大問題になっているが、それをもたらした張本人でもある。今後、誰がこのポストに就くのか、経済財政諮問会議の民間議員の人事と並んで注目したい。
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