2006年7月のニュースレター:[以前のニュースレター]
 
 
7月31日(月)
 
 
□熱気のない自民党総裁選
 早いもので、もう8月が来る。暑い夏もお盆までで、北国の秋の到来は早い。とはいえ、これからは全国的には残暑が厳しい。こうした中で、9月20日には自民党の総裁選挙がある。7月28日から実質的な選挙戦に入ったのだが、福田元官房長官が立候補をしなくなったため、安倍官房長官が独走するのではないかといわれ、熱気に欠ける総裁選挙になりそうである。そうしたなかで、一番早く立候補を表明したのが、谷垣財務大臣で、靖国には参拝しない、消費税は2010年代半ばまでには10%に引き上げることを打ち出している。真正面から財政再建に取り組もうという姿勢には敬意を表したいのだが、いかんせん今ひとつ人気が沸かない。あまりにも生真面目すぎるのだろう。小生とほぼ同世代であり、経済閣僚としてそつなくこなしてきたといえるし、官僚の皆さんにはいたって評判が良いという。まだ立候補を表明していないが、与謝野経済財政担当大臣の存在もなかなか見ものである。政策には明るいし、最近の金融行政面での大手金融機関や監査法人などに対する大胆な処分の連発は、なかなか評価が高い。立場は違うが、相手とした場合にはなかなか手ごわそうである。安倍官房長官については、北朝鮮に対する強硬な姿勢だけが目立つものの、今後の最大の課題である財政問題についてはまったく未知数であり、小泉改革を継承するには経験不足は否めない。野党である民主党にとっては御しやすいと思われる。

□4回目の中国訪問へ
 8月1日から1週間、中国を訪問する。2002年の鳩山代表を団長とする訪中団に随行し北京に出向いて以来の訪中となる。もっとも前回は急遽の訪中で、しかも3日間北京だけの滞在という短い日程であったこともあり、あまり印象の少ない訪中であった。今回は北京、成都、九寨溝、上海を訪れる予定である。四川省の省都である成都は初めてであるし、九寨溝は、風光明媚の名勝である。さらに、上海は1984年に出向いて以来の訪問で、その発展振りに注目したい。なによりも、日中関係が、政治的には小泉首相の靖国参拝で冷え切っている中での訪中であり、また北朝鮮問題での中国の役割が高まっているだけに、政治的な対話も重要であり、率直な意見交換をしてみたい。うれしいことに、今回の訪中団の受け入れをしてくださっている中国共産党対外連絡部の副部長に、劉洪才さんが就任されている。1984年に初めて訪中したとき、大変お世話になった方であり、風邪をこじらせて入院した際には看病のため付き添っていただいた。また、2002年の鳩山訪中団の際に、民主党として中連部から一人留学生を受け入れた際に、一橋大学を紹介し、1年間ではあったが経済を勉強された林明星さんが、今回の訪中団の日程を作り、全工程に同行してくださる。3年ぶりの再会である。

□ますます元気な永原ゼミナリステン
 先週の月曜日、7月24日であるが、一橋の永原ゼミの同級生が集まった。わがゼミは15名という大人数で、そのゼミ幹事を小生がさせていただいたのだが、今回の集まりは12名で、今までで一番多いメンバーの参加となった。みんな60歳を超えて、第1線からリタイアするころとなったことを反映しているからかもしれない。それでも、みな元気で、というよりますます元気で、政治舞台にまだ現役でいる小生に対して、厳しい意見や要求が飛んできて、たじたじする始末であった。次回は、来年1月23日を決めてお開きになった次第である。ちなみに、当日12名で4本の焼酎(720ml)があっという間に空になっていた。酒豪もそろっているのだ。

□9年間、お世話になりました佐藤均さん。ありがとう
 この場をお借りして皆さんに報告しなければならない。これまで9年間、地元の第一秘書としてがんばってくださった佐藤均さんが、一身上の理由をもって7月31日付で退職することとなった。この場をお借りしてお礼をしたい。小生とは30年以上のお付き合いで、初当選のときにも秘書として、まだ2期目の当選以降8年間という長きにわたって、勝手気ままな小生を辛抱強く支えていただいた。まだまだ秘書としてがんばって欲しいとお願いしたものの、次の別の道を歩みたい、とのことであった。まことに寂しいし残念なのだが、次の新しい道のご多幸をお祈りしたい。本当に永い間ありがとうございました。後任の秘書には、自治労時代にお世話になった梅橋幸郎さんです。皆様方に、よろしくお願いしたい。



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7月24日(月)
 
 
□民主党の財政改革中間報告を提出
 今年の梅雨は、長くて豪雨が続く。西日本各地や長野県などでは大変な被害が出てきており、世界的な異常気象現象の一環なのかもしれない。
 先週は久方ぶりに「次の内閣」に出席し、座長を勤めさせていただいた「財政改革チーム」の中間報告を提出した。これを土台に民主党としての財政改革の方策を作り上げ、政府・与党側の「歳入・歳出一体改革」に対抗していくつもりである。その中味については、神野・東京大学教授の提唱されている「3つの政府」論をベースに、思い切った分権改革を進めるとともに、社会保障のセーフティネットをしっかりと張り替えていくこと、さらに、現在の1000兆円にも及ぶ財政赤字を、「資産・債務管理庁」を設置して有効に管理していくことや、税と保険料を一体で徴収する「歳入庁」構想も打ち出している。もちろん、2010年代初頭のプライマリーバランスの回復を図るべく、歳出の改革はもちろん歳入面では税制の公正さを回復するべく、所得税・相続税の所得再配分機能の強化や配当・キャピタルゲインなどの金融所得と勤労所得を、一体で課税する総合課税の実施を進めることを打ち出している。今後、医療・年金・介護制度の構造改革にも踏み込んで、財政の姿を明らかにできるよう努力を進めていくつもりである。

□消費税は地方にも厚く配分すべきである
 いろいろと考えている中で一番の問題は、それでも足りない歳入欠陥を補うためには国民に対して増税をお願いしなければならないということであり、その際、消費税を如何に扱うのか、ということである。消費税は所得の低い方たちにも消費をすれば必ずかかってくる税であり、国民の立場からすれば逃れようのない税でもある。1%の税率で2兆5000億円もの税収があるわけで、課税当局からすればよだれが出るほどの税目なのだ。 それだけに、この消費税の引き上げは、内閣の命運を左右してきた歴史を持つほどの重大事なのであり、これまでも社会保障に充当すると政府側は約束してきた。一方、地方自治体にとって1995年の税制改正以来、地方消費税も制度化されており、地方の安定財源としての要求が強く出されてきている。それだけに、消費税をどのように扱うのかは政権にとってまことに重大な課題であり、慎重に論議し決定していく必要がある。民主党としてはこれまで社会保障財源、とりわけ年金の基礎的部分に消費税を目的税として打ち出してきた経過があるものの、今一度考えてみる必要があると思い始めている。 それは、一番生活が厳しい子供さんを多く抱えている世帯にとって、消費税が年金や医療などの社会保障財源に本当に相応しいのか、といえば累進性を持った所得税のほうがよいことは明らかではなかろうか。むしろ、地方の財源として重視していくべきだと考えるのだが、どうであろうか。

□大盛況だった民主党セミナー札幌開催
 7月22日土曜日で、しかも朝10時半からという時間帯で民主党北海道主催の「政治セミナー」が開催された。当日は小沢代表、鳩山幹事長、横路副議長という豪華トリオの出席で、コーディネーターとして山口二郎北海道大学大学院教授が、小泉内閣の5年間をどう見るのか、それに対して民主党はなぜ十分に対抗できなかったのか、今後の政権交代に向けて内政・外交面をどのようにしていくつもりなのか、1時間30分という短い時間ではあったものの、会場は超満員に膨れ上がり熱心に耳を傾けていただいた。大変タイミングの良い企画であったといえよう。とくに小沢代表は民主党の基本政策がしっかりしていないことを指摘され、今後、代表選挙などを通じてそれらの基本的な政策を提示されることが期待される。

□企業不祥事の多発に思う
 それにしても企業の不祥事が相次いでいる。パロマの湯沸かし器の事故やトヨタの問題など、日本を代表する企業の不祥事には猛省を促さずにはおられない。パロマの事故についてもコンプライアンス問題の第一人者である桐蔭横浜大学の郷原教授は、パロマが宣伝していた「無事故の安心給湯器」という言葉によって、内部から問題を指摘しにくい状態を作ってしまっていたのでは、という問題を指摘しておられる。
詳しくは
http://www.cc.toin.ac.jp/crc/mm/20060721/paloma_and_jsdf.pdf
を参照していただきたい。
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7月18日(火)
 
 
□日銀のゼロ金利解除に思う
 梅雨による大雨の被害が続いている今日この頃であるが、それにしても国会が閉会しているということは、まことに不便極まりない。というのも、日本銀行は7月13〜14日に開催した政策決定会合で、オーバーナイト物の短期金利をゼロから0.25%へと引き上げることを全会一致で決定した。当初政府側は、できればゼロ金利の解除を先送りしてほしいというメッセージを送っていたのであるが、政策委員会の直前に発表された日銀短観の数値も経済が順調に拡大していること、さらには消費者物価指数も6ヵ月連続してプラスになるなど、ようやくデフレからの脱却にめどがつき始めてきたことも影響したのであろう。全員一致ということは、この間の決定会合では久方ぶりのことなのではなかろうか。
 当初は日銀総裁の村上ファンド問題もあり、7月にゼロ金利を解除することはないのでは、という見方もあったものの、逆にむしろそうであるがゆえに7月には解除するのでは、という声もあり、市場関係者の見方を微妙に揺さぶった感がある中での決定であった。今後の日本経済の見通しについては、アメリカの景気停滞や原油価格が1バーレル78$を越すなど、先行きについての不安材料には事欠かない。そうした中でのゼロ金利解除であり、今後の日本経済に与える影響をしっかりと検証していく必要がある。何よりも、なけなしのお金を銀行などに預けている立場の庶民感情からすれば、ようやく金利がついてくるわけで、もっと早く、またもっと高い金利をつけてもらいたいと考える人が多いのだろう。ただし、住宅ローンなど借金を抱えているものにとっては、金利負担の増大はずっしりと重くのしかかってくる。また、企業の立場に立てば金利負担の増大は確かに痛いことには違いないものの、厳しい見方かもしれないが、低利の金利すら支払えないような限界企業が存続し続けることが過当競争を招いていることの是正につながることも見ておく必要があろう。

□巨大な赤字の累積こそ最大のリスク要因だ
 何よりも一番気をもんでいるのが国・地方を合わせて1000億円近い借金をしている政府・自治体であろう。1%の金利上昇で10兆円近い負担増が生じてくるわけで、いくら金利増に対する税収増があるとはいえ、金利上昇を一番恐れていることは間違いない。問題は一刻も早く財政再建を勝ち取ることであり、少なくとも税収でもってその年の歳出がまかなえる水準に早く到達しなければならないのだ。前回のレターでも述べたように、歳入歳出一体改革と称していながら、歳入の増大、すなわち増税には及び腰の体たらくでしかない。もちろん、小生もすぐに増税しろ、といっているわけではない。税制の歪みや不公正な仕組みの改革を進め、さらにどうしても足らない部分については、国民に負担を求めていくべきであることは言うまでもない。そのためにも国民に向かって、税の負担増についての必要性について、理解を求めていく必要があるのだ。国民からの信頼が何よりも重要なのだ。とにかく、閉会中ではあるものの、参議院の財政金融委員会の開催を求めるべく、21日には理事懇談会を開催することになっている。政府・与党側の真剣な対応に期待したい。

□北朝鮮のミサイル実験に対する国連安保理の非難決議採択へ
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮と略す)のミサイル発射問題について、国連の安全保障理事会の決議が、多少の紆余曲折はあったものの、何とか全会一致での採択となった。当初の国連憲章7章による制裁決議とはならなかったものの、北朝鮮に対する非難とともにミサイル関連物資の輸出をしないことなどが盛り込まれたものの、その効果のほどは不明だとされている。いずれにせよ、お隣の北朝鮮が核兵器を所有していることと、それを運搬するミサイルを持っていることが明らかになったわけで、脅威には違いない。どれだけ正確に攻撃できるのか良くわからないところだが、何はともあれ、ミサイル発射実験をするときには、近隣諸国に対してオープンに情報を公開していくべきではなかろうか。そのことが実現されれば、北朝鮮に対する世界の見方も多少は変わるのだと思う。もちろん、ミサイル実験や核兵器の開発などは絶対にやるべきではないが、イランやインドは良くて北朝鮮だけはだめだ、というのも不公平ではないかと思うのだがどうであろうか。
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7月10日(月)
 
 
□問題の多い「骨太2006」方針
 7月に入り、本州は梅雨前線が停滞し、うっとうしい日が続いているが、北海道は快適な毎日である。国会が閉会して以降、初めて上京することなく道内で過ごすこととなったためか、一番いやな季節を東京で過ごすことがない毎日が、いかに快適であるか痛感させられる。このまま7月〜9月の3ヵ月間過ごせれば、と思うのだが、来週には上京して諸会議に参加していかざるを得ない。政府・与党側は「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」を取りまとめており、民主党としての対応が求められている。
 とくに今回の政府側の方針については、財政再建が優先され、国民のためにいかに財政が本来の機能を果たすのか、という点が忘れ去られてしまっているし、明治以来続いてきた中央集権国家を打破して分権改革、いや分権革命とも言うべき大改革の方向がほとんど見るべきものがないどころか、地方は国より財政的にはプライマリー黒字が拡大しており、恵まれているという認識が根底に存在しているのだ。確かに、全国平均値を取ってみると、地方の財政は国より好転しているかのように見れるのだが、東京を中心にした税源が豊かな地域はそうであっても、北海道のような過疎地域では、夕張市に見られるように、ますます厳しい財政状態にあることを見失ってはならないのだ。
 国民生活よりも、財政再建や経済成長政策を優先していることが歴然としているのが社会保障に対する政策である。この間の小泉改革なるもので深刻な格差問題が露呈しているにもかかわらず、それらの認識が極めて弱くなっている。そもそも格差問題については「格差」という視点はなく「不均衡」問題として捉えられ、構造改革の副作用としてのそのような社会問題については「真の社会的弱者に絞り込んだ自立支援型のセーフティネット」を構築するとしている。「真の弱者」とは何なのか、については明示されておらず、国民の安心安全対策が極めておろそかにされる危険性が増大しようとしているのである。

□格差問題を放置する無責任さ
 また、もともと2010年代初頭までにプライマリーバランスの回復を目標としているのだが、その前提条件として経済成長率が平均で3%を維持するものとしている。そしてそれは名目成長率だという。人口が減少する中で、デフレからの脱却という目標が依然として掲げられているもとで、実質も3%に近い成長を維持できるほど日本経済の潜在成長力が高くなるとは到底思えない。やはりインフレ政策を採ろうとしているのだろうか、そうでなければ、まさに「楽観に基づいた」甘い見通し以外の何者でもない。そして、何よりも驚くのは歳入と歳出一体改革と称していながら、歳出面の削減についてはこと細かく打ち出されているのに、歳入=税制改革については、まことに抽象的に書かれているだけである。格差社会が問題になる中、所得税や相続税などによる累進性の回復や金融所得との総合課税の回復など、税制の公正性に向けた改革などは殆ど触れられていないのだ。ただ、大衆課税である消費税引き上げの方向だけが浮かび上がってくる。まことに、富めるものはますます富み、貧しきものはますます貧しくなるという、弱肉強食の社会が強化されようとしているのだ。秋の臨時国会から、小泉首相の後継者との厳しい論戦に全力を挙げていかなければならない。

□すばらしい藤崎史夫さんの果樹園・ガーデン
 週末を利用して東京から仁木町に移住してこられた藤崎史夫さんの農園を訪問させていただいた。藤崎さんは一橋大学の1年後輩で、長銀を辞められて長年の夢であった英国風のガーデンを作ることを目指され、北海道の仁木町のさくらんぼ農家の跡地を譲り受け、さくらんぼを中心にした果樹園と、それに先ほど触れた趣味の園芸に力を入れられている。1万坪近い農園を維持管理すること事態が大変なのに、さくらんぼのほうも独特の堆肥を作って土壌の改革にも取り組まれ、すばらしい「佐藤錦」や「南陽」を栽培されている。ほとんどの商品は市場を通さずに販売され、その多くはお中元に回っているとのことであった。食べてみたが、まことに甘くおいしいさくらんぼであり、来年からはお中元は藤崎さんのさくらんぼ「佐藤錦」か、それより一回り大きく肉厚の「南陽」にしようかと思っている。さくらんぼ以上に感嘆したのは「ガーデン」である。さすがに、一橋ではなく千葉大の園芸を目指されようとしただけのことはあると唸ったしだいである。是非とも一度足を運ばれることをお勧めしたい。
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7月4日(火)
 
 
□ツルネンマルテイ参議院議員からフィンランドについて学ぶ
 いよいよ7月である。これからは暑い夏の季節に入るのだが、九州地方を中心に豪雨が続いており、災害が心配される。北海道はヨーロッパによく似て一番過ごしやすい季節となり、観光客も増え始めている。こうしたなか、7月1日、フィンランド生まれの参議院議員ツルネンマルテイさんを札幌にお呼びして「フィンランドに学ぶ」と題した勉強会を開催した。土曜日で朝9時からという時間帯の設定もあったのだろう、やや出席者が少なかったのは残念であった。パワーポイントを使って流暢な日本語で駆使された説明は、大変にわかりやすく、フィンランド流のライフスタイルが自然とともに共生していることを学ぶことができたし、われわれ日本人のライフスタイルが本当に地球環境との持続可能性を持っているのだろうか、と考えさせていただいた。
 今回、ツルネンさんをお招きした直接の動機は、フィンランドが世界で一番教育水準が高いことと、国際競争力がこれまた世界一であることを知り、なぜそのようになっているのか、北海道の方たちに知っていただきたいと思ったからである。人口はわずか520万人で面積は日本とほぼ同程度、森と湖の国といわれ、積雪寒冷の地でもあり北海道との共通性は高い。そうしたなかで、ゴム産業から出発したノキア社が世界一の携帯電話会社であることは有名である。教育問題だけに絞ったお話ではなかったものの、日本流に言えば25人学級のもとで、ゆとり教育を実践していることがわかる。教師はあまり喋らず、5人ぐらいのグループごとに考えさせる教育を実践しているという。教師のレベルも高く、多くは大学院の修士課程以上を卒業しているという。もちろん高等教育にいたるまですべて無料であり、奨学金制度も完備しているため親の負担は殆どないという。日本では教育費の負担があまりにも高く、国民の生活を圧迫していることからすれば天国である。ただ、このフィンランドも日本と同様、出生率が低下し、少子高齢化社会に突入し、人口が減少しつつあるという。また、離婚率が高いことも一つの社会問題になっているという。先進国共通の難問といえるのかもしれない。一度、近いうちにフィンランドに現地調査・視察に出向きたいとも考えている。

□第2のリクルートになるのか「村上ファンド」問題
 国会は閉会したとはいえ、日銀総裁の村上ファンド問題についての参議院財政金融委員会での閉会中の審査問題もあり、なかなか忙しい毎日である。先週水曜日には、福井総裁からは奥様の分も含めて資産が公開され、総額3億円にも及ぶ預貯金や株式などが含まれていた。それと同時に村上ファンドとの契約書も提出されたのであるが、実際の契約を締結した直接の相手はオリックス株式会社であり、はたしてオリックスは投資顧問業の免許を持っていたのだろうか、とかファンドの参加人数が、私募債で認められている50人以下なのかどうか、といった疑問点が浮かび上がってくる。と同時に、福井総裁のこれまでの発言との整合性も問われる問題が露呈している。一人しかいないファンドなのに「仲間と一緒に入ったので一人だけ抜けるということはできなかった」という発言との矛盾が露呈している。福井総裁だけでなく、オリックスの宮内社長に対する疑惑も出てきているのだ。問題がどれだけ広がるのか、展開如何によっては第2のリクルート事件に発展することも予想されている。規制緩和という問題は、利権の拡大とも結びつくだけに、しっかりと監視していく必要があるのだ。

□消費税の大増税の前にやるべき事があるはずだ
 いよいよ歳出歳入の一体改革を含んだ今年度の「骨太方針」が策定されつつある。その中で歳出問題では自民党の政策調査会での検討が進められ、歳出への切り込みとともに不足分を2〜5兆円と予想して消費税の引き上げ1〜2%を提起している。いよいよ大規模の大衆増税に踏み切ろうとしているのであるが、その前に所得税の最高税率の引き上げや、金融所得も含んだ総合課税化など税制の不公正について改革をしなければならないし、その改革次第では消費税の引き上げをしなくてもすむことも可能になるかもしれないのだ。言うまでもなく、格差社会が進展する中で所得再配分の強化も必要になりつつある。さらに、医療や介護など、国民生活の基本となるセーフティネットの安心できる改革なくして財政再建だけが中心の政府・与党案には、とても賛成できるものではない。
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