2006年3月のニュースレター:[以前のニュースレター]
 
 
3月27日(月)
 
 
第561号 2006年3月27日

□永田議員の決断を求めたい
 前半国会の焦点であった平成18年度予算案は、いよいよ3月27日参議院を通過する予定である。所詮、衆議院で与党側が3分の2の議席を占めている以上、衆議院を通過した時点で勝負は見えているのだが、参議院での質疑も重要である。
本来であれば耐震偽装問題、防衛庁談合事件、アメリカ産輸入牛肉問題、そしてライブドア問題のいわゆる4点セットが出てきたとき、自民党小泉政権を追及する絶好の機会が生じたという思いが強く、政治の潮の流れが変わってきつつあることを感じつつ、どのように今後の予算委員会を仕掛けていくのかが問われていたのだった。残念なのは、まさにライブドア関連の偽メール事件であり、すべてはこの問題によって自民党の抱えるさまざまな問題が、ほとんど予算委員会で焦点が当たることなく、参議院でも淡々と審議が進んできたのである。
今やこの偽メール問題は、自民党からすれば絶好の民主党攻撃の材料として,いいように使われつつある。このまま衆議院の懲罰委員会での審議が長引かされ、メール情報の提供者の証人喚問にまで展開しつつある。民主党の立場からすれば、まったくの事実無根の情報を、あたかも真実のものであるとして若い政治家をだましこみ、結果として政治不信をもたらした罪は深い、と言わざるをえない。問題を大きくした当事者である永田議員に対する議員辞任要求の声はまことに大きく、一刻も早い出処進退の決断が求められてきている。まことに難しい問題ではあるが、やはりこれだけの国政を混乱させた罪はまことに深く、重いものである。本人の自覚を強く促したい。

□どうなっているのか、日本の司法
 先週の金融日、午後から東京地方裁判所に裁判の判決を傍聴に出向いた。大変お世話になっている会計士さんの裁判の判決があり、どうしても傍聴したいと考えたからである。判決は懲役2年執行猶予4年というもので、関係者は必ず無罪が勝ち取れる、と期待していただけに、まことに残念な結果となった。もちろん、高等裁判所に控訴することとなる見込みであるが、日本の司法の状況はまことに不可解なものになりつつあることは、小生と鈴木宗男氏との裁判でも痛感させられただけに、何らかの改革が求められていると思う。一番の問題はやはり政権交代がない中で、裁判所の中も権力の動きに連動させられつつあるのではないかと思う。重要なことは、司法の世界でも政権交代による司法改革が必要になっていることであろう。それにしても、判決の主文の後の判決文の朗読が休憩時間を入れて3時間近くに及んだ。こんなに長い判決の読み上げがあるとは夢にも思わなかったし、裁判の経過や事件の内容についてほとんど知らなかったために、裁判長が指摘することについてあまりよく理解できなかったのであるが、特別目的会社とか海外の銀行を通じたマネーロンダリングなど、国会で問題になっている証券取引の問題が頻繁に出てきて現実の事件の姿を学ぶことができたことは良かったものの、敗訴したことはまことに残念であった。

□今こそ歴史に学ぼう
 長いといえば、松本清張著『昭和史発掘』全9冊を完読した。昨年の夏から読み続けてきたわけで半年もかかったことになる。
昭和の初期、治安維持法のもとでの労働運動や社会主義運動の弾圧からはじまり、2・26事件に至るまでの昭和史の暗部を見事に論証している。なぜ日本が第2次世界大戦に突入していったのか、ちょうど1920〜30年代の恐慌の後の深刻なデフレ不況の中で、高橋是清大蔵大臣の下でケインズ型の不況対策が世界でも最も早く打たれ、不況から脱却した後で軍事費を削減したことに対する軍部の怒りが加わり、事件は拡大していく。一方、デフレの元での農村の疲弊による困窮に適切な対策が打てない政治に対する青年将校の不満がつのり、結果として2.・26事件を引き起こすものの、結局、鎮圧されるが、政治サイドではこれ以降、軍部の台頭を防げず戦争に突入していく歴史をわれわれは今の問題として捉えなければならないのだ。まさに「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」のだ。
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3月20日(月)
 
 
第560号 2006年3月20日
□風邪で苦しんだ1週間
 まことにお恥ずかしいことながら、先週月曜日から風邪をこじらせてしまい、先週一週間は、ほとんど夜は早く帰り、睡眠をとることに努力せざるを得ない始末であった。国会が始まっている中で風邪を引くことは、まとまった休みがほとんど取れないだけに、細心の注意が必要になっているのだ。
 風邪なった原因は、もちろん小生の不摂生にあることは間違いないのだが、先週月曜日には広島県の東広島市にある独立行政法人酒類総合研究所に出向き、財政金融委員会所属の同僚議員とともに視察を行った。当日は広島県でも珍しいぐらい冷え込み、雪が舞い散る始末であったし、新幹線の駅舎は吹きさらしで寒さをまともに受けてしまい、ついに風邪を引き込んだ可能性が高いと見ている。まことに面目ない始末で、先週は特に16日の木曜日、財政金融委員会で谷垣財務大臣と与謝野金融担当大臣に対して、100分間の質問をすることになっていただけに、その準備が十分にできなかったことが残念であった。

□日興コーディアル証券の粉飾決算疑惑を追及
 そうはいっても質問すべき論点は山積しており、前回2月3日に質問をした日興コーディアル証券株式会社が行ったベルシステム24という、一部上場会社に対するSPC(特別目的会社)を使っての企業買収を進めたことが、今問題になっているライブドアの投資事業組合を使った偽計取引や粉飾決算と同じ問題や、一連の買収過程の中でインサイダー取引の疑惑があることを追及し、このような日興コーディアル証券のやり方は法令に違反しているのではないかと指摘した。また、この日興コーディアル証券の監査法人が中央青山監査法人であり、カネボウやダイエーの粉飾決算を行った監査法人であること、また現実の監査担当が奥山理事長自身であったことも指摘したところである。
これまで、日本の監査法人と依頼する企業の関係は、当然のことながら依頼企業のほうが有利な立場に立ちやすく、結果的に違法と思しき決算に対しても異を唱えることなく見過ごしてきた経過がある。監査をする側の監査料金が相手側に決定権がある限りこのような粉飾がなかなか無くならないのでは、と指摘されてきたのだが、なんら改善されることなく今日まで来ている。アメリカのエンロンやワールドコムの事件が起きるや否や、直ちにサーベンスオックスレー法を施行して厳しく取り締まろうとしたことと対比したとき、日本の金融庁の対応の甘さを指摘せざるを得ないのである。現にアメリカでは世界4大監査法人のひとつであったアーサーアンダーセンが完全に消滅するぐらいの厳しい改革を進めたのである。
 これに対する日本の現実は、まことにお寒い限りなのだ。いや、金融庁と中央青山監査法人との関係は、ずぶずぶの関係なのではないか、と当日質問を進めて言った。ひとつは、竹中金融担当大臣の当時金融庁のタスクフォースの一員として当時の日本公認会計士協会の理事長であった中央青山の奥山理事長が加わってきたこと、さらに3人しかいない金融庁の中にある証券等取引監視委員会委員の一人が中央青山出身者であること、また多くの民間からの出向者の中に数名の中央青山出身者がいることなどを考えるとき、金融庁と中央青山監査法人との癒着の構造とでもいうべき姿が浮き上がってくるのである。
与謝野金融担当大臣は、それでも独立してちゃんとやっていると答弁されていたが、まともにとらえる人は少ないのではなかろうか。この日興コーディアルのベル24買収事件は、ライブドア事件同様、今日の金融関係者の中で投資事業組合やSPCを使った粉飾や偽計取引が頻繁に起こっているといわれており、大手証券会社だからといって見逃すことは絶対にできない相談なのだ。金融庁の姿勢が厳しく問われている。
 先週16日には、国会の合間を縫って小生の東京での第2回政経セミナーを開催した。参加者は120名程度であったが、講師の中前国際研究所代表の鋭い日本経済の行方と題する講演に参加者が熱心に耳を傾けてくださった。この場をお借りして感謝の意を表しておきたい。
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3月16日(木)
 
 
第559号 2006年3月13日
□前例のない日銀の金融緩和政策の終焉へ
 先週の一番大きなテーマになったのが、日銀の金融政策の変更であった。2001年3月、当時はデフレが深化し、株価も低迷し、日本経済が世界金融恐慌の引き金を引くのではないか、と懸念されていた中で、日銀が金利をゼロ以下にすることができないため、各金融機関に義務付けている日銀当座預金の残高を増やす、という世界の中央銀行史上初めて経験する異例な金融政策に踏み切ったのである。以来、日銀は速水総裁から福井総裁に代わっても、当座預金残高を増やし続け、現在では33〜35兆円にも達する巨額な水準にまで達している。日銀自身もこの政策が、異例なものであるとの認識を強く持っており、消費者物価指数が安定的にゼロ以上になるまで続けることを明言してきていた。肝心の消費者物価指数が、今年1月対前年同月比で0.5%の上昇を示し、4ヵ月連続してゼロ以上になったことを受けて、今後は当座預金残高から金融政策の基本を短期金利に移していくことを3月8〜9日に開かれた政策決定会合で賛成7、反対1、当日欠席1という多数決で決定したのである。

□許せない日銀への政府介入
 何が問題かといえば、政府はまだデフレから脱却していないという判断の中で、日銀が当面ゼロ金利は維持するものの、当座預金残高を縮減すれば、これからはいつでも公定歩合を基本に短期の政策金利を上げることが可能となる。とすると、長期金利にまで連動していくことは必至なので、一番恐れている長期金利の上昇による国際の利払い費が急増し、財政再建のシナリオが崩れてしまうため、反対をしていたのである。小泉首相はそれほど経済政策の詳細に明るくないものの、国会の場で、しかも福井日銀総裁のいる前で、まだデフレから脱却していない中で慎重に判断を下すよう強くけん制してきたのである。一番強く反対してきたのが竹中総務大臣で、この機会にインフレターゲット政策を採用させようとしており、今回の政策決定会合の中で今後日銀が目指すべき中期的な物価目標として0〜2%という数値を打ち出したものの、強制力のある目標値でないために今回の政策変更に対して「説明責任が足りない」と強く批判的な態度をとっているのである。

□預金者の立場に立つべき金融政策
 今回の日銀の政策判断について、民主党は支持する声明を小生の名前で打ち出して来た。自民党の閣僚や政調会長などが、日銀法を改正してまで政策変更に介入していく発言まで出るに及んでいただけに、日銀の独立性をしっかりと守らなければならないことを訴えさせていただいた。また、翌日の10日、小泉首相も参加する予算委員会の集中審議にバッターに立つ機会に恵まれた。わずか50分間という短時間であったが、是非とも注意して改善をすべき点を強く要望した。それは、この間ゼロ金利になっている期間は、実に7年以上になっているし、1995年の超円高局面に対処するため、と称して金利を1%以下の低金利に据え置いてきたのが10年以上続いてきたのである。そのために預金金利が実質的にゼロに据え置かれてきたことにより、国民の本来入ってくるべき利子収入が300兆円近いマイナスになってきたことであり、そのことが内需拡大が進まない一つの要因になっているのである。過去金利が低下する局面では預金金利が真っ先に引き下げられ、他方金利上昇局面では預金金利は最後に上げられるという銀行など金融機関の行動を是正すべきであることを訴えさせていただいた。今、税金まで投入したメガバンクの利益が史上空前の金額に達しようとしている中、是非とも預金者の立場に立った金融政策が不可欠なのである。

□先輩の努力に頭が下がる
 11日の土曜日、登別連合主催の春闘学習会で講演した。入院されていた元市議の渋谷孝治郎さんも元気に出席されていた。73歳だという。相変わらず年金や財政・税制などの論文を書いておられ、私にコピーを下さった。本当に頭が下がる。渡部国対委員長も73歳である。まだまだがんばらなければ、と思いを強くした次第である。
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